コンクリート泌水対策に関する建設現場イメージ
Concrete Bleeding Management

コンクリート泌水対策

Concrete Bleeding Management

管理の5本柱
こんくりーとひすいたいさく

コンクリート泌水対策とは

コンクリート泌水対策は、打設直後のフレッシュコンクリートから上昇する水(泌水水)による表面欠陥・品質低下を防ぐための施工・管理業務です。泌水は不可避の現象ですが、その量・期間を管理し、表面欠陥予防に結びつけることが重要です。

泌水が多いと、表面が軟弱化し耐久性が低下し、鉄筋周辺にも空隙が生じて付着力を損なわせます。柴田工業のような大型構造物施工では、泌水対策が品質・工期に大きく影響します。

泌水の発生メカニズム

泌水はコンクリートの配合設計に直結した現象です。

  • 水分離:コンクリート混合直後、骨材とセメントペーストの密度差により水が上昇
  • 沈降:粗骨材(砂利)が重力で下沈することで、上部に水が集中
  • 発生条件スランプが大きい、レディーミクストコンクリートの品質にばらつきがあるほど泌水が増加

特にワーカビリティーを優先して水を多く混入した配合では泌水が顕著になります。

泌水対策の実施方法

設計段階での対策

  • 調合設計で水セメント比を最小化(目標55%以下)
  • 細骨材率を適正範囲内(一般に45~50%)に設定し、ペースト量を最小化
  • 高性能AE減水剤を使用して、スランプを維持しながら単位水量を低減

施工段階での対策

  • 締固め管理:バイブレータで過度な振動を避け(過振動で泌水増加)、適切な時間で作業終了
  • 湿潤養生の早期開始養生開始時期を早め、表面水の蒸発を制御
  • 泌水吸収材の使用:表面に吸収シートを敷き、泌水を即座に吸収除去
  • スクリーニング:コンクリート打設後6~12時間で表面の遊離水をスキージで排除

泌水量の測定と管理

JIS A 1123(コンクリートの泌水量試験方法)に基づき、泌水量を定量的に管理します。

  • 測定方法:コンクリートサンプルを円筒型容器に入れ、24時間後の泌水水量をml単位で計測
  • 許容基準:通常は5ml以下(試験容器当たり)を目標に設定
  • 判定頻度:配合変更時、季節変動時、コンクリート納入業者変更時に実施

泌水試験結果は圧縮強度試験と並行して記録し、品質トレーサビリティーを確保します。

泌水と表面品質の関連性

泌水が多いと以下の表面欠陥が発生しやすくなります。

豆板(ピット):骨材直上に泌水水が貯まり、セメント分が薄くなった領域。打ち込み後の圧力で骨材が沈んだ空隙が泌水層とともに露出する現象です。②白ずれ(ブリーディング層):表面のセメントペースト層が薄く、光の反射角度が異なって白く見える現象。耐久性が低いため仕上げが困難です。③クラック:泌水が多い部位では乾燥収縮が大きく、細かいクラックが発生しやすくなります。

特に打ち継ぎ部や水平面では泌水の影響が顕著です。柴田工業の現場では、デッキ工事の打ち継ぎ箇所でこれらの欠陥が生じやすいため、泌水対策が重要な品質指標となっています。

近年は自己充填コンクリート(SCC:Self-Compacting Concrete)の採用により、振動締固めを不要にして泌水を大幅に低減する取り組みも広がっています。

泌水の主因
水セメント比が高い、スランプが大きすぎる配合。配合設計段階での対策が最優先
施工時の対策
適切な締固め時間、早期の湿潤養生、泌水吸収材使用、スクリーニングで表面水除去
測定基準
JIS A 1123に基づき泌水量を定量測定。許容5ml以下が標準目標値

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

泌水対策は配合設計の段階で決まります。発注前にレディーミクストコンクリート工場と充分に打ち合わせし、現場の気象条件に合わせた調合を確認することが不可欠。施工中も養生開始時期を早めることで、表面品質を大きく改善できます。

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