コンクリート強度試験に関する建設現場イメージ
Concrete Strength Test

コンクリート強度試験

Concrete Strength Test

管理の5本柱
こんくりーときょうどしけん

コンクリート強度試験とは

コンクリート強度試験(Concrete Strength Test)は、建築工事で打設されたコンクリートが、設計に規定された強度(設計基準強度)を達成しているか確認する試験です。最も一般的な試験方法は、圧縮強度試験で、コンクリート供試体に圧縮荷重を加えて破壊強度を測定します。

鉄骨工事では、コンクリート吊り上げ用アンカー柱脚周辺のコンクリート、支保計画で撤去時期を決定するための強度確認など、多くの場面でこの試験が実施されます。

コンクリート強度試験の種類と方法

1. 圧縮強度試験(最一般的)
Φ100mm×200mmまたはΦ150mm×300mmの円柱型供試体を、万能試験機で圧縮加力します。JIS A 1108に基づき、材齢28日での強度を測定します。

測定手順

  • コンクリート打設時に供試体を採取(通常、現場で複数個採取)
  • 標準養生(20℃、相対湿度65%以上)で所定日数保管
  • 試験機で圧縮荷重を加え、破壊時の荷重を記録
  • 圧縮強度 = 最大荷重 ÷ 供試体断面積(N/mm²)で計算

2. 非破壊試験
供試体を破壊しない試験方法もあります。代表的なものは:

  • 超音波試験:コンクリート内を超音波が伝播する速度から強度を推定
  • 反発硬度試験:表面にハンマーを落とし、反発の程度から強度を推定

これらは迅速な判定が可能ですが、精度は圧縮強度試験より劣るため、補助的に用いられます。

試験の実施時期と用途

材齢28日試験
最も標準的な試験時期。設計基準強度が達成されているか確認します。

材齢7日試験
工事工程を進めるために、早期に強度確認が必要な場合に実施します。例えば、支保計画で下層支保の撤去時期を判定する際に用います。

材齢91日試験
長期強度の発現を確認する場合や、特に高い信頼性が求められる構造体で実施されることがあります。

コンクリート強度試験の結果活用

1. 型枠脱型時期の判定
型枠仮設から型枠を外す時期は、コンクリート強度試験の結果に基づいて決定されます。通常、圧縮強度が設計基準強度の60~70%に達して初めて脱型が許可されます。

2. 支保撤去時期の決定
支保計画では、下層の支保を撤去するために、上層のコンクリートが十分な強度を持つことが必須です。強度試験でこの条件が確認されるまで、支保撤去は進められません。

3. 構造体強度の保証
強度試験の結果がいくつかの供試体で基準値を下回った場合、該当するコンクリート打設区域について、追加の非破壊試験やコンクリート表面品質検査を実施し、構造的安全性を確認します。

試験実施上の重要なポイント

供試体採取の適切さ
供試体が、実際に打設されたコンクリートと同じ配合・同じ養生条件で採取されることが重要です。現場で採取した直後に、標準養生用と現場養生用の2種類の供試体を用意することが一般的です。

試験機の検定
圧縮試験機は、年1回以上の検定(キャリブレーション)が必須です。誤った試験結果は、その後の工事判定に大きな影響を与えるため、試験機の信頼性が極めて重要です。

結果の記録と報告
強度試験の結果は、工程確認書や品質管理報告書に詳細に記録され、工事監督者と設計者に報告されます。基準値を下回った場合は、直ちに原因の調査と対策が実施されます。

コンクリート強度試験の課題と改善動向

従来の圧縮強度試験は、結果が得られるまでに材齢28日かかるため、工事工程の前倒しが難しい問題がありました。特に、支保撤去時期の判定や、階段施工の進行を決定する際に、この遅延が課題になります。

近年、以下の改善が進んでいます:

  • 温度履歴を考慮した早期強度推定:コンクリート内温度を連続測定し、養生条件を反映させた材齢換算法で、早期に28日相当強度を推定する方法
  • 超音波試験の精度向上:複数の測定点での超音波速度から、精度の高い強度推定が可能になりつつある
  • IoT センサーの活用:コンクリート内に埋め込んだセンサーで、リアルタイムに強度発現を監視する技術

柴田工業のような大規模建築に携わる企業では、これらの新技術を活用しながら、信頼性と効率性のバランスを取っています。

試験の目的
打設されたコンクリートが設計基準強度を達成しているか確認し、型枠脱型や支保撤去の判定根拠とする
標準的方法
圧縮強度試験。Φ100×200mmまたはΦ150×300mm円柱供試体をJIS A 1108に基づき測定
実施時期
材齢28日が標準。早期判定が必要な場合は材齢7日、長期確認では材齢91日も実施

柴田工業の現場から

上沢直二
上沢直二 事務・現場兼務

強度試験の結果は工程全体に影響します。事務側では試験機関との調整、報告書の記録、監督者への報告を確実に行う責任があります。一度でも強度不足が判定されると、追加の非破壊試験や補強検討が発生し、工期が伸びる可能性があります。だから打設から供試体採取まで、細部を丁寧に管理することが重要です。

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