コンクリート吊り金具に関する建設現場イメージ
Concrete Lifting Hardware

コンクリート吊り金具

Concrete Lifting Hardware

工事の種類
こんくりーとつりかなぐ

コンクリート吊り金具とは

コンクリート吊り金具は、PCa(プレキャスト)部材やコンクリート製品(例:基礎ブロック、床版)を建設現場で荷揚げする際に、部材に埋め込む金属製の接合金具です。通常、コンクリート型枠内に事前に埋め込まれ、脱型後は吊り具やクレーンと接続されます。

建設現場での人身災害の大きな要因として「コンクリート部材の落下」が挙げられます。吊り金具の設計不良や施工不適切により、吊り金具がコンクリートから引き抜けたり破断したりすることで発生する事故を防ぐため、厳格な基準に基づいた設計・製造・施工が求められます。

吊り金具の種類と構造

コンクリート吊り金具の主な種類は以下の通りです:

①ループ型吊り金具
最も一般的な形式。U字型または環状の鋼製金具がコンクリート内に埋め込まれます。シンプルな構造で製造コストが低く、多くのPCa部材に採用されています。

②プレート型吊り金具
プレート面をコンクリート内に埋め込み、上部の吊り孔から吊り具を接続する形式。大型部材や重量が大きい部材に採用されます。

③スタッド溶接型吊り金具
スタッド(短い棒状部材)を溶接してコンクリート内に埋め込む形式。高い引き抜き強度が期待でき、大型部材向けです。

各形式とも、コンクリート内への埋め込み深さ、鋼材の材質(通常SS400以上)、吊り具との接続方法などが厳密に設計されています。

設計基準と安全係数

コンクリート吊り金具の設計には、以下の基準が適用されます:

・JIS A 5373:吊り金具の一般基準
・業界団体の技術基準:PCa工業会の推奨基準
・個別プロジェクトの設計基準:構造計算書に基づく

重要な設計パラメータは以下の通りです:

・吊り金具の引き抜き強度:部材重量の3倍以上が一般的な安全係数
・コンクリートの圧縮強度:脱型時・吊上げ時の強度設定
・埋め込み深さ:コンクリート内での付着強度確保

また、レディーミクストコンクリートの品質と脱型後の強度確認も重要です。吊上げ時点でのコンクリート強度が不足していると、吊り金具周辺のコンクリートが破砕する危険があります。

現場での施工管理

コンクリート吊り金具に関する施工管理は、以下のポイントがあります:

①型枠への金具埋め込み時:位置ズレがないか確認
②コンクリート打設時:吊り金具が移動しないよう固定を確認
③脱型前の強度確認:設計強度に達しているか、強度試験結果を確認
④吊上げ前点検:吊り金具の破損、腐食、ズレなどを視認確認
⑤吊上げ作業:複数の吊り金具がある場合は、均等に荷重が分散されているか確認

特にクレーン作業安全との連携が重要です。吊上げ時の動揺やショックが吊り金具に集中荷重をもたらさないよう、作業手順の詳細な計画が必要です。

コンクリート強度と吊り金具の関係

コンクリート吊り金具の安全性を決定する最大要因は、吊上げ時点でのコンクリート圧縮強度です。設計上では「脱型時強度」と「吊上げ時強度」を区分し、それぞれに対する吊り金具の引き抜き強度を設定します。

例えば、脱型は設計基準強度の50~60%達成時に行うが、吊上げは80~90%達成時に行う、という施工計画が一般的です。特に寒冷期のコンクリート施工では、強度発現が遅延するため、脱型・吊上げのタイミングを慎重に判断する必要があります。

現場での強度確認は、試験体圧縮試験(JIS A 1108)またはシュミットハンマー等の非破壊試験で行われます。これらの結果が設計値を下回る場合は、脱型・吊上げを延期し、強度が到達するまで待機することが原則です。施工計画段階でこうしたリスクを想定し、余裕のあるスケジュール設定が重要です。

安全係数
吊り金具引き抜き強度≧部材重量×3倍以上
設計基準
JIS A 5373、PCa工業会基準、個別構造計算
施工管理
脱型前強度確認→吊上げ前点検→均等荷重配分確認

柴田工業の現場から

上沢直二
上沢直二 事務・現場兼務

PCa部材の吊上げ時に吊り金具からの落下事故を何度も見かけています。現場事務所では脱型・吊上げのタイミングを構造計算書と強度試験結果で厳密にチェックし、施工担当者への教育を徹底することが事故防止の第一歩です。

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