コンクリート材齢管理に関する建設現場イメージ
Concrete Age Management

コンクリート材齢管理

Concrete Age Management

工事の種類
こんくりーとざいれいかんり

コンクリート材齢管理の役割

コンクリート材齢管理とは、打設後のコンクリートが経時的に強度を発現していく過程を監視し、各施工段階(脱型・建て方・床版載荷等)で必要な強度に達していることを確認する品質管理業務です。特に鉄骨建て方時に、既設コンクリート床版が荷重を支える場合、正確な材齢・強度把握が施工安全と工期制約に直結します。

設計基準強度」は通常材齢28日での値ですが、現場での施工段階では、その前段階(材齢7日での脱型、14日でのスパン出し等)での強度確認が必要です。強度不足での施工進行は構造破壊のリスク、逆に過度な保守的判定は工期延伸と原価増加につながるため、科学的根拠に基づく判定が重要です。

材齢管理の主要項目

供試体養生と圧縮強度試験:コンクリート打設時に試験用の供試体(圧縮強度試験用円柱体Φ100×h200)を採取し、現場と同じ環境で養生します。材齢7日・14日・28日時点で圧縮試験を実施し、強度発現の進捗を確認します。「レディーミクストコンクリート」の場合、納入元からも試験成績表が提供されるため、自社試験結果との比較検証が実務的です。

強度推定とスケジュール決定:7日強度と14日強度から強度発現曲線を推定し、設計基準強度(例80N/mm²)達成時期を予測します。一般的に、常温標準養生では強度発現が指数関数的に進み、初期(7日まで)は急速、中期以降は緩やかになります。この傾向を用いて、各施工段階(脱型・スパン出し・上層建て方)の実施可能日を事前決定し、「施工計画書」に記載します。

早期強度取得の工夫:冬季施工や工期短縮が必要な場合、早期強度コンクリート(早強セメント使用)や加温養生(蒸気養生)を採用します。その場合の強度発現カーブは通常と異なるため、あらかじめ「溶接試験」に相当する事前試験を実施し、推定式を検証することが標準慣行です。

現場計測と記録:脱型・スパン出しなどの重要段階の前に、当該コンクリート床版から「コンクリート破壊試験用抜き取り供試体」を採取し、その日の実強度を確認する場合があります。これを「超音波探傷検査」などの非破壊検査と併用することで、より確実な強度確認が可能です。

各施工段階での強度要件

脱型時(材齢3~7日):型枠及び支保工を除去するには、通常設計基準強度の40~50%に相当する強度が必要とされます。例えば基準強度Fc=30N/mm²の場合、脱型時には12~15N/mm²以上の確認が要件です。過早な脱型はたわみや破損を招くため、「施工管理」では脱型前の供試体試験結果を必ず確認してからの脱型指示となります。

スパン出し(床版の場合、材齢7~14日):梁スパンの型枠支保を除去する時期は、床版版厚・支間長に応じて決定されます。一般的には基準強度の60~70%(Fc=30の場合18~21N/mm²)が必須とされ、これを下回る場合は支保延長が指示されます。

上層建て方(梁受け床版、材齢14日以上):上層の鉄骨建て方時に下層床版が荷重を受ける場合、下層床版は基準強度の75~80%以上が必要です。「鉄骨建て方安全管理」では、この強度確認を建て方開始の前提条件として位置付けています。

温度と養生管理

コンクリート強度発現は温度に大きく依存し、標準は20℃一定養生を想定しています。夏季高温や冬季低温では発現速度が異なるため、「コンクリート養生」方法(保温・給水等)と材齢管理を統合的に進める必要があります。特に冬季施工では、外気温が5℃以下の環境で強度発現が著しく遅延するため、施工計画段階で加温養生の要否判断が重要です。

強度推定式と実績値のギャップ対応

一般的に7日強度と14日強度から28日強度を推定する式(例えば、f28 ≒ f14 × 1.5程度の簡易式)が用いられています。しかし、セメント種類・使用骨材・配合設計により実績値は異なり、推定値との乖離が生じることがあります。特に掘削コンクリートや特殊コンクリート(軽量、高流動など)の場合、事前試験で推定式を個別検証することが標準慣行です。推定値より実績が低かった場合は、スケジュール遅延や支保延長の対応を迫られるため、施工計画段階での保守的見積もり(余裕日程)確保が経営的に重要です。

冬季施工での加温養生と強度発現

気温が低下する冬季では、蒸気養生や断熱養生を採用して、早期の基準強度達成を図ります。蒸気養生では、気化潜熱を利用して型枠周辺温度を40~60℃に保ち、7日で常温28日相当の強度を取得できる場合があります。ただし、急速な温度上昇・低下は温度ひび割れのリスクを高めるため、昇温速度(通常5℃/hr程度)と降温速度の管理が「コンクリート表面欠陥防止」と併せて実施されます。加温養生を採用した場合、当該材料について別途試験供試体を採取し、推定強度曲線を実験的に検証することが発注者要件となる場合が多いです。

管理タイムポイント
材齢7日・14日・28日時点で供試体圧縮試験を実施し、強度発現を監視
脱型基準
設計基準強度の40~50%達成を脱型条件。確認試験なしの脱型は禁止
季節対応
冬季は加温養生・夏季は給水養生などの環境補正で強度発現を制御

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

コンクリート材齢管理は、見た目では完成しているようでも、強度確認なしに次の工程に進むと後で大変なことになります。試験成績表を見て『あと3日待つ必要がある』と判断できるかどうかで、工事品質と工期が決まります。供試体試験は小さなコストですが、保険だと思って毎回きちんとやっています。

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