
鉄骨
Steel Frame
鉄骨とは
鉄骨とは、建物の骨組(構造躯体)として用いる鋼材、またはそれを組み上げたものをいいます。鉄骨造(S造)の柱・梁・ブレースなどが代表で、鉄筋コンクリート造の「鉄筋」とは区別して使います。鋼材は強度が高く粘り強いため、大スパンや高層の建物、工場・倉庫・体育館など幅広い用途に使われます。一方で、高温になると強度が低下することや、錆びやすいという弱点もあります。そのため耐火被覆、錆止め塗装、溶融亜鉛めっきなどで保護するのが一般的です。
鉄骨・仮設鍛冶工事を手がける当社にとって、鉄骨は本設の骨組を扱う鉄骨工事と、工事中に必要な仮設の鉄骨・金物を扱う仮設鍛冶工事の両方に関わる、中心的な対象です。
主な部材と接合方法
鉄骨に使われる代表的な形鋼には、H形鋼、山形鋼、溝形鋼のほか、鋼管(丸形・角形)や鋼板があります。鋼板は、ガセットプレートやベースプレート、ダイアフラムなどの部品に加工されます。
材質は、一般構造用圧延鋼材のSS400(JIS G 3101)や、建築構造用圧延鋼材のSN材(JIS G 3136)がよく用いられます。SN材についてはSN材の項目も参照してください。
部材どうしの接合は、主に溶接と高力ボルトで行います。工場では溶接中心、現場では高力ボルト接合と現場溶接を組み合わせることが多く、柱はアンカーボルトでコンクリート基礎に固定します。構造形式としては、柱と梁を剛に接合するラーメン構造や、ブレースで水平力に抵抗する構造などがあります。鉄骨をコンクリートで包む鉄骨鉄筋コンクリート造もあります。
製作から建方までの流れ
鉄骨は、まず設計図をもとに工作図(製作図)を作成し、発注者や設計者の承認を得ることから始まります。工場では、鋼材の切断、開先加工、組立、溶接、検査、塗装の順に製作が進みます。完成した部材は現場へ搬入され、クレーンで吊り上げて建方を行います。
建方では、仮ボルトで部材を固定し、建て入れ直しで柱の鉛直を調整してから、高力ボルトの本締めや現場溶接を行います。工場での精度が現場の建方のしやすさに直結するため、製作工場との情報共有が大切です。
品質と安全の要点
品質面では、溶接部の検査(UT検査など)、ボルト張力の確認、建て入れ精度の測定が基本です。全体の考え方は品質管理の項目にまとまっています。
鋼材の性質と現場で気をつけたいこと
鋼材の密度はおよそ7.85g/cm³で、重量物としての扱いが必要です。また、熱による伸び縮みがあり、線膨張係数はおよそ1.2×10⁻⁵/℃とされています。たとえば長さ30mの部材が10℃変化すると、計算上は約3.6mmの伸縮になります。夏場の日射や冬場の低温で、測定値が変わることがあります。
そのため、建て入れ精度や寸法の測定は、時間帯や温度条件をそろえて行うのが望ましいといえます。この線膨張係数はコンクリートとほぼ同程度で、鉄骨とコンクリートを組み合わせる構造が成り立つ理由の一つです。
現場では、溶接や火気を使う作業の前に、可燃物の養生と消火器の配置を確認します。搬入した鋼材は地面に直置きせず、台木を敷いて雨水や泥から守ります。こうした基本の積み重ねが、錆や変形を防ぎ、後工程の品質につながります。
柴田工業の現場から
鉄骨は、工場で作った精度が現場の建方のしやすさに直結します。図面の確認と、搬入後の養生や仮置きまで気を抜かないことが大切だと感じています。