溶接に関する建設現場イメージ
WELDING

溶接

Welding

現場用語
ようせつ

溶接とは

溶接(ようせつ)とは、2つ以上の金属部材を熱や圧力によって溶融・一体化させ、永久的に接合する技術です。ボルト接合やリベット接合と並ぶ鋼構造物の主要な接合方法であり、特に建設業界では鉄骨工事における柱と梁の接合に不可欠な技術です。

溶接は古代から存在する技術ですが、現代の建設に使われる電気溶接が普及したのは20世紀に入ってからです。今日では、建物の構造的な安全性を左右する最も重要な施工技術のひとつとなっています。溶接部の品質は建物の耐震性能に直結するため、高度な技能と厳格な品質管理が求められます。

溶接の種類

建設現場で使用される溶接方法は、主に以下の3種類です。

アーク溶接は、電極と母材の間にアーク放電を発生させ、その高温(約5,000〜6,000℃)で金属を溶かして接合する方法です。被覆アーク溶接(手溶接)は、フラックスを塗った溶接棒を使用する最も基本的な方法で、建設現場での現場溶接に広く用いられています。

半自動溶接(MIG/MAG溶接)は、ワイヤー状の溶加材を自動送給しながら溶接する方法です。溶接速度が速く、連続して長い溶接ビードを形成できるため、工場での鉄骨製作に多く使われます。MAG溶接はCO2ガスを使用し、コストパフォーマンスに優れています。

TIG溶接(タングステン・イナート・ガス溶接)は、タングステン電極とアルゴンガスを使用する高品質な溶接方法です。溶接ビードが美しく、薄板やステンレス鋼、アルミニウムの溶接に適しています。建設分野では、手すりや外装金物など、意匠性が求められる箇所で使用されます。

建設現場での溶接

建設現場での溶接は、工場溶接と現場溶接に大別されます。工場溶接は、鉄骨製作工場(ファブリケーター)で柱や梁の部材を製作する際に行われ、自動溶接機やロボット溶接など、安定した環境で高品質な溶接が可能です。

一方、現場溶接(建方溶接)は、工場から搬入された鉄骨部材を現場で組み立てる際に行われます。高所作業や風雨の影響を受ける過酷な環境での溶接となるため、溶接工には高い技術力と経験が求められます。

鉄骨造の建物では、柱と柱の接合部(柱継手)や、柱と梁の接合部(仕口)が現場溶接の主な対象です。特に柱の完全溶込み溶接は、建物の耐震性能を決定づける重要な溶接部であり、JIS溶接技能者の資格が厳格に管理されています。

溶接の品質

溶接部の品質は、外観検査と非破壊検査によって確認されます。外観検査では、ビード形状の均一性、アンダーカット(母材の削れ)、オーバーラップ(溶着金属のはみ出し)、ピット(表面の気孔)などを目視で確認します。

非破壊検査としては、UT検査(超音波探傷試験)が最も一般的に使用され、溶接部内部のきず(割れ、空洞、溶込み不良)を検出します。これにより、外観からは判断できない内部欠陥を発見し、構造安全性を確保します。

建設を支える溶接技能の世界

溶接は、建設現場における最も重要な技能のひとつです。建物の構造的な強度は、鉄骨部材の強さだけでなく、それらを繋ぐ溶接部の品質に大きく依存しています。どれほど優れた設計であっても、溶接が不良であれば建物の安全性は担保されません。

工場での溶接にはロボット溶接機が導入され、一定の品質で大量の溶接を行えるようになりました。しかし、建設現場での溶接は依然として熟練工の手作業に頼っています。高所で足場に立ち、風を受けながら正確な溶接を行う技術は、一朝一夕では身につきません。

溶接の姿勢(ポジション)は、溶接品質に大きく影響します。下向き溶接は溶融金属が重力で安定するため最も施工しやすく、品質も安定します。横向き溶接や上向き溶接では、溶融金属が重力で流れやすくなるため、より高度な技術が必要です。立向き溶接は、溶融金属の垂れ落ちを防ぎながら上方に向かって溶接するため、特に難易度が高いとされています。

現場溶接では、これら全ての姿勢での溶接が求められます。柱の溶接では、柱の周囲を一周する「全周溶接」が必要となり、1つの継手で下向き・横向き・上向き・立向きの全姿勢を経験することになります。この全姿勢溶接を安定した品質で行える溶接工は「全姿勢溶接技能者」として高く評価されます。

日本では、JIS(日本産業規格)に基づく溶接技能者の資格制度が整備されており、溶接の種類・材質・厚さ・姿勢ごとに細かく資格が分かれています。建設現場での溶接に従事するためには該当する資格の取得が必須であり、施工全体の計画・指導を担う溶接管理技術者のもとで品質が確保されています。

主な種類
アーク溶接・半自動溶接・TIG溶接
品質確認
UT検査・外観検査
姿勢
下向き・横向き・上向き・立向き

柴田工業の現場から

吉川友也
吉川 友也 製作金物工事担当

溶接は自分の核となるスキルです。大成建設のようなスーパーゼネコンの現場ではすべての溶接部が検査対象――手抜きが通用する余地はありません。その厳しい品質基準があるからこそ、技術は常に磨かれます。自分の溶接が50年、100年残る建物の一部になると思うと、やりがいは格別です。都心の高層現場で一日溶接をした後、電車に乗って帰れる。自分の仕事に意味があると実感しながら週末はしっかり休める――それがこの仕事の魅力ですね。

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