クレーンに関する建設現場イメージ
CRANE

クレーン

Crane

現場用語
くれーん

クレーンとは

クレーンとは、動力を用いて荷物を吊り上げ、水平方向に移動させる揚重機械の総称です。建設現場では、鉄骨部材や建設資材、コンクリートバケットなど、人力では運べない重量物を所定の位置に据え付けるために使用されます。

高層ビルの建設現場を見上げると、空にそびえるタワークレーンが目に入ります。クレーンは建設現場の象徴的な存在であり、その現場の規模と進捗状況を一目で伝えてくれます。クレーンなしでは、現代の建設工事は成り立ちません。

クレーンの歴史は古く、古代ギリシャ・ローマ時代にはすでに人力や畜力を使ったクレーンが神殿の建設に使われていました。現代のクレーンは電動・油圧・ディーゼルなどの動力を使い、数十トンの重量物を数百メートルの高さまで吊り上げることが可能です。

クレーンの種類

建設現場で使用されるクレーンは、用途や設置方法によっていくつかの種類に分かれます。

タワークレーン(塔型クレーン)は、高層建築物の工事に使用される固定式のクレーンです。建物の中央部や外周部に設置され、ジブ(腕)を旋回させて広範囲に荷物を運搬します。最大の特徴は、建物の成長に合わせて自らの高さを上げていく「クライミング方式」を採用している点です。建物が1フロア分上がるごとに、クレーン自体も油圧ジャッキで持ち上げられ、常に最上階より上にジブを位置させます。

ラフタークレーン(ラフテレーンクレーン)は、不整地走行が可能な自走式クレーンです。4輪すべてが操舵でき、狭い現場でも小回りが利きます。公道走行が可能なため、工場からそのまま現場に乗り入れることができ、短期間の揚重作業や中低層建築の鉄骨建方に適しています。吊り上げ能力は10トンから100トン級まで幅広いラインナップがあります。

クローラークレーン(履帯式クレーン)は、キャタピラー(クローラー)で走行するクレーンです。接地面積が広いため安定性に優れ、軟弱な地盤でも使用できます。大型のクローラークレーンは吊り上げ能力が数百トンに達し、橋梁の架設やプラント建設など大重量物の揚重に使われます。ただし、公道走行ができないため、分解して搬入・搬出する必要があります。

タワークレーンの仕組み

タワークレーンは、マスト(柱部分)、ジブ(腕部分)、カウンターウエイト(均衡おもり)、巻上装置(ウインチ)で構成されています。

タワークレーンの組み立ては、まず地上でマストの下部を組み立て、次にジブやカウンターウエイトを取り付けます。この初期組み立てには、別の移動式クレーン(ラフターやクローラークレーン)が必要です。つまり、クレーンを組み立てるためにクレーンが必要という構図になります。

建物が上昇するにつれ、タワークレーンも高さを上げる必要があります。フロアクライミング方式では、マストの途中にクライミングフレームと呼ばれる装置を取り付け、油圧ジャッキでマストを1節分(約3〜6m)ずつ持ち上げます。隙間にできた空間に新しいマスト部材を挿入して固定し、これを繰り返して高さを上げていきます。

大型のタワークレーンは、ジブの先端で約2〜3トン、ジブの根元付近では20トン以上の荷物を吊り上げることができます。この吊り上げ能力は、ジブの長さ(作業半径)によって変動し、作業半径が大きいほど吊り上げ能力は低下します。クレーンのオペレーターは、この荷重表を常に確認しながら安全な範囲で作業を行います。

クレーン操縦に必要な資格

クレーンの操縦には、労働安全衛生法に基づく資格が必要です。吊り上げ荷重5トン以上のクレーンを操縦するには「クレーン・デリック運転士免許」が必要であり、これは国家資格です。学科試験と実技試験に合格しなければなりません。

移動式クレーン(ラフターやクローラークレーン)については、吊り上げ荷重5トン以上のものを操縦するには「移動式クレーン運転士免許」が必要です。吊り上げ荷重1トン以上5トン未満であれば「小型移動式クレーン運転技能講習」の修了で操縦できます。

クレーンで荷物を吊る作業(玉掛け作業)を行うには、別途「玉掛け技能講習」の修了が必要です。クレーンオペレーターと玉掛け作業者は、無線や手信号で合図を送り合いながら協力して作業を進めます。

クレーンオペレーターの技術と安全管理

タワークレーンの組み立てには、移動式クレーンが使用されます。そしてタワークレーンは、建物の成長に合わせてフロアごとに自らの高さを上げていく「クライミング」を行います。大型のタワークレーンは、20トン以上の荷物を200メートルを超える高さまで吊り上げることが可能であり、超高層ビルの建設に欠かせない存在です。

クレーンオペレーターは、建設現場で最も重要かつ高度な技能が求められる職種のひとつです。地上数十メートル、時には100メートル以上の運転室に座り、はるか下の地上にある荷物を正確に吊り上げ、所定の位置に据え付けます。鉄骨の柱や梁の建方作業では、数センチメートルの精度で位置決めを行う必要があり、卓越した空間認識能力と操作技術が要求されます。

クレーン作業における安全管理で最も重要なのが、風速の管理です。一般的に、10分間の平均風速が10m/s(瞬間風速では15m/s程度)を超えると、クレーン作業は中止しなければなりません。強風時には吊り荷が振れて制御不能になり、周囲の構造物に衝突したり、作業員に接触する危険があるためです。

特に台風接近時には、タワークレーンのジブを風に対してフリーの状態(風見鶏状態)にして、風圧を最小限にする措置を取ります。この「ジブ起し」は台風対策の基本であり、事前の準備を怠ると、ジブが風圧で折れる重大事故につながりかねません。

朝の作業開始前には、クレーンの始業前点検が義務付けられています。ワイヤーロープの損傷、ブレーキの効き、安全装置の動作確認など、数十項目にわたるチェックを毎日行います。万が一、作業中にワイヤーロープが切れれば、吊り荷の落下による死亡事故に直結します。こうした日々の点検が、作業員の命を守る最後の砦となっています。施工管理の現場では、クレーン作業の計画と安全確認が最優先事項のひとつです。

建物の完成後、タワークレーンの解体も大きな課題です。最上階に設置されたタワークレーンを、別のクレーンで降ろすことになりますが、屋上にそれほど大きなクレーンを設置する余地はありません。そこで、まず小さなクレーンで大きなクレーンを分解し、その小さなクレーンをさらに小さなクレーンで分解し...という「入れ子方式」で最終的にエレベーターで搬出できるサイズまで分解していきます。

種類
タワー・ラフター・クローラー
能力
20t以上・高さ200m超
安全基準
風速10m/s以上で作業中止

柴田工業の現場から

石堂洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

大成建設のような都心のスーパーゼネコン現場でのクレーン運用は、綿密な計画が命です。敷地が狭く、周囲にはビルが建ち並び、騒音規制も厳格。すべての揚重は荷重表と風速予報を確認した上で事前に計画します。調達・工程調整を担当する立場として、クレーンオペレーターとの連携は欠かせません。作業時間がきちんと管理されているので、深夜に近隣を騒がせるような揚重はありません。メリハリのあるスケジュールが、安全と効率の両立を支えています。

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