躯体伝設工事管理に関する建設現場イメージ
Building Frame Installation Work Management

躯体伝設工事管理

Building Frame Installation Work Management

管理の5本柱
くたいでんせつこうじかんり

躯体伝設工事管理とは

躯体伝設工事管理は、柱や梁などの主要構造体を貫通する各種配管・配線・ダクトの施工を統合的に管理する業務です。電気設備、給排水衛生設備、空調設備、通信設備などの設備配管が躯体を貫通する際、構造の安全性、防火性能、施工精度を同時に確保する必要があります。

鉄骨工事会社であるアマゾンのような企業では、鉄骨組立設計段階から躯体伝設孔のサイズと位置を各設備設計者と協議し、鉄骨部材への孔あけ加工を正確に実施します。

躯体伝設工事の主要工程

躯体伝設工事管理は以下のステップで展開されます:

  • 事前協議・図面調整:各設備設計者と打合せし、孔位置・孔径・数量を確定。施工図に反映させる
  • 鉄骨部材への孔あけ加工:製作工場で孔加工を実施。寸法精度と面取り処理が重要
  • 孔口確保と仮塞ぎ:建て入れ時に孔が土砂や廃材で塞がらないよう管理
  • 配管配線の躯体貫通:各設備工事との調整の下、躯体孔を通して配管を敷設
  • 防火区画処理:貫通孔周辺に防火材料を充填し、防火性能を確保
  • 最終確認と竣工検査:孔口処理、防火処理の完了を確認し記録

構造安全性の確保

躯体に孔を設けることは、構造の耐力に影響します。鉄骨部材の場合、孔あけ位置と孔径が鉄骨設計図検証段階で厳格に管理されなければなりません。

  • H形鋼のウェブ(腹板)に大孔を設ける場合は、せん断耐力の低下が生じないよう設計
  • 梁端部の孔あけは、アンカーボルト位置や高力ボルト接合部と干渉しないよう注意
  • 孔周辺の応力集中を避けるため、孔径や配置に制限がある場合がある

防火性能の確保

防火区画を貫通する配管孔は、火災時に火炎や煙が拡大するのを防ぐため、防火処理が必須です。躯体伝設工事管理では、以下のいずれかの方法が用いられます:

  • 防火ダンパー:空調ダクトに設置。火災感知で自動的に閉鎖
  • 火打ちコーク:貫通孔周辺に特殊なコーク材を充填
  • 防火スリーブ:配管周囲に防火材料製の筒を装着
  • モルタル充填:孔周辺をモルタルで埋め戻す(配管交換時の将来性を考慮)

各設備工事との調整体制

躯体伝設工事の成功は、鉄骨工事、電気工事、衛生工事、空調工事などの各専門工事が同じ目標を共有することが重要です。プロジェクト開始時に全ての関係者を集め、孔位置図・優先順位・工程を統一します。工事進行中も月1回程度の調整会議を開催し、変更事項を即座に反映させるのが実務的なアプローチです。

孔あけ加工の精度管理

躯体伝設孔の加工精度は、後続の設備工事の効率性と品質に直結します。製作工場での孔あけ加工は、CNC機器により±3mm以内の精度で実施されるのが標準です。

孔径も設定値を厳密に守る必要があります。配管が孔を通す際、配管外径+25mm程度の孔径が目安ですが、配管の種類や周辺状況によって異なります。孔が小さすぎると配管が通らず、大きすぎると防火処理が困難になります。

また、孔周辺のバリ取りと面取り(C2×45°程度)も重要です。配管が孔を通す際に傷つくのを防ぎ、将来の配管交換時の作業性も向上します。製作工場では最終検査時に孔加工の精度と仕上がりを確認し、測定記録を現場に提供します。

事前協議の時期
基本設計段階での協議開始、実施設計段階での図面確定が必須
孔加工精度
位置±3mm以内、孔径±1mm以内が標準。製作工場での記録保管
防火性能確認
防火認定図書による確認、工事完了後に性能検査実施

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

躯体伝設は各工事が絡むため、事前の図面調整が命です。工事着手後の孔あけ追加依頼は大工事になってしまうので、設計段階での綿密な調整が積算・工程・品質の全てに影響します。

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