溶接ビード検査・傷品質管理に関する建設現場イメージ
Weld Bead Inspection and Defect Quality Management

溶接ビード検査・傷品質管理

Weld Bead Inspection and Defect Quality Management

管理の5本柱
ようせつびーどけんさきずしなもくひんしつかんり

溶接ビード検査・傷品質管理とは

鉄骨工事における溶接部品質管理の最重要工程が、ビード検査と傷管理です。溶接後の外観検査で、ビード形状の良否、亀裂・ポロシティ・アンダーカット等の欠陥を目視で評価し、必要に応じて非破壊検査(UT・磁粉探傷等)につなぎます。柴田工業では、現場での迅速な品質判定と是正処置により、後工程への不良流出を防止しています。

検査項目と基準

JIS Z 3104(軟鋼及び中炭素鋼の突き合わせ溶接継手の外観検査方法)に基づき、以下の項目を確認します:

  • ビード高さ:過高・過低による強度低下の防止。設計値を基準に測定
  • ビード幅:両側のシャープさ、融合状態の確認。不均一は次段階検査対象
  • 表面のポロシティ:直径1mm以上の気泡が認められた場合は超音波探傷検査へ
  • クラック(亀裂):溶接中及び冷却中に発生する横割れ・縦割れ。即座に不合格判定
  • アンダーカット:母材が溶け込み不足でビード側が低くなった状態。修復溶接の対象
  • オーバーラップ:母材上へのビード重複、融合不良の兆候。剥離リスク

各項目の許容値は、JIS溶接施工方法や設計図で指定される等級(一級・二級・三級)に準拠します。

検査から修復までの流れ

工事現場では、溶接管理技士が以下のプロセスで品質確保を行います:

  1. 目視検査(VT):全ビードを対象に、形状・表面欠陥を確認。記録写真を撮影
  2. 測定:高さ・幅をゲージで計測し、基準との適否判定
  3. 精密検査判定:目視で不合格、又は疑わしい箇所は超音波探傷検査(UT)、磁粉探傷検査(MT)へ
  4. 修復溶接:不合格ビードは研磨後に修復溶接。二度焼きによる材質劣化を防ぐため、予熱・層間温度を厳格管理
  5. 再検査:修復後は再度目視検査及び必要に応じて精密検査を実施

このサイクルを確実に回すことが、品質定着管理につながります。

実務での注意点

現場では以下の点が重要です:

  • 検査時の照度:最低500ルクスの照度確保。自然光では基準に満たない場合が多いため、LED照明での確認が必須
  • 検査タイミング:溶接直後の高温状態では正確な外観判定が困難。冷却後(常温)に実施
  • 記録管理:各溶接部の検査結果写真、測定値、処置内容を溶接個別管理票に記録し、竣工時の竣工図書に添付
  • 不合格処置の判断:軽微な欠陥は修復で対応可能ですが、構造に影響する欠陥は設計者と協議して判定

超音波探傷検査(UT)との組み合わせ

目視検査で判定困難な内部欠陥(ラメラティア、再熱割れ等)を検出するため、目視検査と並行して超音波探傷検査を実施することが多くあります。JIS Z 3060(鋼溶接継手の超音波探傷試験方法)に基づき、斜角探触子(45度、60度等)で内部の亀裂・気孔を検出します。検査員は超音波探傷検査技術者(UT技術者)の資格を有する必要があり、結果は検査成績書として記録されます。柴田工業では、高層ビルの主要接合部や耐震補強部分について、全数UT検査を実施する現場が多く、品質の信頼性向上に貢献しています。

検査基準
JIS Z 3104に基づく。ビード高さ・幅・表面欠陥の許容値を設計図の等級で確認
不合格対応
修復溶接前に欠陥部を研磨除去。二度焼きを防ぐため予熱・層間温度を厳格管理
記録管理
全溶接部の検査結果、測定値、処置内容を写真と共に竣工図書に保存

柴田工業の現場から

佐藤世人
佐藤世人 工事部

現場で最もクレームが出やすいのが溶接品質です。目視検査でしっかり拾うことと、疑わしい箇所は躊躇せずUT検査に送ることが、後々のトラブルを防ぎます。照度と冷却後の検査タイミングは必ず押さえてください。

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