
せっこうボード
Gypsum Board (Plasterboard)
せっこうボードとは
せっこうボード(石膏ボード)は、焼せっこうを主原料とした芯材を、両面からボード用原紙で包んで成形した板状の建材です。日本産業規格のJIS A 6901(せっこうボード製品)に規定されており、建築内装の壁・天井の下地材や仕上げ材として広く使われています。防火性、遮音性、寸法安定性に優れ、価格も比較的手頃なため、オフィス、マンション、店舗などの内装工事で標準的に採用されています。
主な種類と性能
用途に応じて、次のような製品があります。
- せっこうボード(一般品):最も一般的で、壁・天井に使用
- シージングせっこうボード:耐水性を高めた製品で、水がかりのある箇所に使用
- 強化せっこうボード:芯材にガラス繊維などを混入し、耐火性を高めた製品
- 化粧せっこうボード:表面に化粧加工をした製品
厚さは9.5mm、12.5mm、15mmなどがあり、耐火・遮音の仕様に応じて選びます。防火性能の理由は、せっこうが約2割の結晶水を含んでいる点にあります。火災時にはこの水が加熱されて蒸発し、熱を奪うため、裏側の温度上昇が抑えられます。厚さなどの条件を満たしたせっこうボードは、準不燃材料や不燃材料として扱われます。これに間仕切壁の構成を合わせ、間仕切壁の耐火構造や防火区画に利用されます。
施工の基本
せっこうボードは、軽量鉄骨壁下地や軽量鉄骨天井下地に、ドリルねじ(ビス)などで留め付けます。これは仕上げ下地工事の代表的な工程の一つです。施工上の基本は次のとおりです。
- 下地の寸法・精度を事前に確認する
- ボードを下地に密着させて、周辺部と中間部に適切な間隔でビスを打つ
- ビス頭が紙を破らず、わずかに沈む程度に留める
- 継ぎ目は、ジョイントテープとジョイントコンパウンドで処理して平滑にする
- 床や天井との取り合い部には、必要に応じて隙間やシール材を考慮する
ビスの間隔や下地間隔は、仕様書や製品の施工要領で定められているため、設計図書や特記仕様書に従って施工します。
保管・取扱いの注意
せっこうボードは湿気や水に弱い材料です。濡れると強度が落ちるだけでなく、カビや変形の原因になります。搬入後は、屋内の乾燥した場所に平積みで保管し、床に直接置かず、角材などで受けるのが基本です。立てかけて長期保管すると反りが出やすいため避けます。重量があり、端部が欠けやすい点にも注意が必要です。揚重や搬入経路の計画では、建設現場物流管理の観点も含めて考えます。
他工程との取り合い
鉄骨造の建物では、耐火被覆や層間塞ぎ、防火戸まわりの納まりが防火性能に影響します。ボードを張る前に、設備配管や電気配線、耐火被覆の検査を済ませておくことが重要です。後から配管や配線を通すとボードを壊すことになり、防火性能を損ねる恐れもあります。工程管理では、工程管理の中で、ボード張りの前の検査を確実に組み込んでおきます。
解体時と廃材
過去に製造されたボード類には、石綿(アスベスト)を含むものが存在します。解体や改修の際は、事前調査を行うことが法令で義務付けられています。詳しくは厚生労働省や国土交通省の案内を確認してください。また、せっこうボードの廃材は分別して処理・再資源化が進められており、現場でも他の廃材と混ぜない分別管理が求められます。
柴田工業の現場から
せっこうボードは数量が多く、搬入のタイミングや置き場が工程に影響します。濡らさない、割らない、置き場所を確保する、この3つを意識して調達や搬入の段取りを組んでいます。内装工事との工程調整も欠かせません。