
間仕切壁
Partition Wall
間仕切壁とは
間仕切壁(まじきりかべ)は、建物の内部空間を部屋ごとに区切るための壁です。外壁とは違い、原則として建物の構造を支える役割はなく、床や梁、スラブに取り付けられる非耐力壁です。事務所、病院、学校、店舗、工場の事務室など、あらゆる建築物で使われています。
主な工法は次の2つです。
- 乾式工法:軽量鉄骨(LGS)で下地を組み、せっこうボードなどを張って仕上げる。現在の事務所ビルなどの主流。
- 湿式・組積工法:コンクリートブロックやALCパネル、RC壁など。遮音性や耐火性が求められる場所で使われる。
乾式工法の軽量鉄骨下地は、軽量鉄骨壁下地として別の項で詳しく解説しています。ここでは間仕切壁の全体像を扱います。
軽量鉄骨下地間仕切壁の構成
床・天井側に取り付けるコ形のランナー、その間に垂直に立てるスタッド、スタッドの倒れや振れを防ぐ振れ止め、開口部まわりを補強する補強材で下地を構成します。スタッド同士の間隔を保つスペーサー(スペーサー)も使います。部材はJIS A 6517(建築用鋼製下地材(壁・天井))に規定され、スタッドの幅によって50形、65形、90形、100形といった種類があります。
スタッドの種類は、壁の高さに応じて選びます。公共建築工事標準仕様書では、高さが高くなるほど大きな形を使う基準が示されています。スタッドの間隔や振れ止めの段数もボードの張り方によって変わるため、設計図書と仕様書で確認します。壁が高い場合や重い設備機器を取り付ける場合は、下地の補強や、鉄骨の補強材の追加が必要です。
求められる性能と納まり
間仕切壁には用途に応じた性能が求められます。
- 遮音:会議室、病室、寝室などでは、ボードの枚数、グラスウール等の吸音材、天井裏への音漏れ対策が必要。
- 防火:防火区画や界壁にあたる壁は、建築基準法施行令第112条や第114条などに基づく仕様が必要。壁を天井裏を貫いて上階のスラブ下まで立ち上げることが一般的。
- 耐衝撃・耐久性:病院や学校では、下地やボードを増し張りして強化する。
区画貫通部(配管やダクト)や、壁上端と上階スラブ・デッキとの隙間は、不燃材による処理が必要です。隙間処理は層間塞ぎと考え方が共通します。壁の端部や床との取合いは、目地の納まりを検討しておきます。
施工のポイント
施工は墨出しで壁の位置を床に示すところから始まります。墨の位置が違えば、扉や建具、ほかの間仕切りとの取合いがすべてずれてしまうので、施工図との照合が欠かせません。下地を組んだ後、設備・電気の配管・配線、断熱・吸音材を入れ、検査を経てボードを張る順序が基本です。ボードを張った後の下地は直接確認できないため、ボード張り前の検査が重要です。
鉄骨造の間仕切壁と「躯体への追従」
鉄骨造では、地震時に層間変形(上下階の水平方向のずれ)が生じます。間仕切壁を梁下まで固定すると、この変形によってボードのひび割れや、壁の破損が起きることがあります。そのため、壁の上端部の納まりは、剛に固定する場合と、変形に追従できるようにする場合とで考え方が異なります。
また、鉄骨梁やデッキプレート下面に防火被覆(耐火被覆)が施されている場合は、被覆を傷つけずに下地を取り付ける必要があります。ランナーを取り付けるためのスタッド固定ピンや、アンカーの打込みで被覆を欠損すると、耐火性能が低下します。他工種との取合いは着工前に調整し、被覆の復旧や、壁の上端のスリップジョイントなどの納まりは施工図で明確にしておくことが重要です。
鉄骨工事の段階で、壁の取付け用の下地金物や、開口補強、設備機器の支持材を先に鉄骨に付けておくと、後工程の手戻りを減らせます。
柴田工業の現場から
間仕切壁は仕上げ工事の中でも、墨出しの位置が違うと建具やダクトに全部響くところです。鉄骨側でも、壁の下地や補強の金物は早めに図面で確認するようにしています。