防火戸に関する建設現場イメージ
Fire Door

防火戸

Fire Door

工事の種類
ぼうかど

防火戸とは

防火戸とは、火災が起きたときに炎や熱が隣の区画や隣の建物へ広がるのを防ぐために、開口部に設ける扉の総称です。建築基準法では、「防火戸、ドレンチャーその他火炎を遮る設備」を「防火設備」と呼んでおり(法第2条第九号の二ロ)、防火戸はその代表的な存在です。材質は鋼製が多く、鋼製建具の一種として扱われることも多い建具です。

かつては、防火性能の高いものを「甲種防火戸」、そうでないものを「乙種防火戸」と呼んでいました。現在の法令では「特定防火設備」「防火設備」という区分が使われています。ただし、現場では今でも昔の呼び方が通じることがあります。

建築基準法上の考え方

防火戸は、設置場所によって求められる性能が異なります。

  • 防火区画の開口部:面積区画や竪穴区画などの開口部には、建築基準法施行令第112条にもとづき、一定の遮炎性能を持つ特定防火設備が求められる場合があります。特定防火設備は、通常の火災による火熱が加えられても、加熱開始後1時間は加熱面以外に火炎を出さない性能が求められます。
  • 外壁の開口部:防火地域・準防火地域内で、延焼のおそれのある部分にある開口部には、防火設備を設けることが求められます(法第64条など)。防火設備に求められる遮炎性能の時間は、特定防火設備より短く設定されています(一般に20分)。

どの部分にどの性能の防火戸を設けるかは、建物の用途、規模、構造、立地によって決まります。必ず設計図書と特記仕様書で確認してください。防火設備と特定防火設備の仕様は、国土交通大臣の認定を受けたものか、告示で定められた構造方法のどちらかにもとづく必要があります。

閉鎖方式と現場での注意

防火戸には、常時閉鎖している「常時閉鎖式」と、火災時に自動で閉まる「随時閉鎖式」があります。随時閉鎖式は、煙感知器や熱感知器、温度ヒューズなどと連動して閉鎖します。避難の妨げにならないよう、人が通る部分の防火戸は、閉鎖時に挟まれたり閉じ込められたりしにくい構造にするほか、くぐり戸付きなどの工夫がなされます。

現場の施工では、次の点に注意が必要です。

  • 認定を受けた仕様のとおりに製作・取付けする。枠のサイズ、取付け方法、ガラスや錠、ガラリなどを現場判断で変更しない
  • 枠まわりのすき間は、指定された方法で充填する
  • 工事中に扉を開放したまま固定したり、閉鎖範囲に資材を置いたりしない
  • 取付け後に、閉鎖の作動、感知器との連動を確認する

枠の取付けには、鉄骨側の下地や開口補強が関わります。鉄骨工事の段階から、施工図で開口寸法と下地の位置を調整しておくと、後の手戻りを防げます。

完成後の防火戸は、建築基準法にもとづく防火設備の定期検査・報告の対象になる場合があります。点検しやすい状態を保つことも、引き渡し後の安全につながります。

「閉まること」を守る現場管理

防火戸の性能は、図面や認定書だけでは担保されません。実際に火災時に閉まり、すき間なく止まって初めて機能します。現場で起きやすいのは、搬入や工事のために扉を開放し、くさびや資材で固定したまま放置してしまうことです。また、後から配管やケーブルが通されて、扉の動作範囲や枠まわりの充填がふさがれる例もあります。

こうした事態を防ぐには、竣工前のチェックリストに「防火戸の開閉・自動閉鎖の確認」「閉鎖範囲の確保」「認定ラベル(銘板)の有無」を入れ、施工管理の記録として残すことが有効です。また、品質管理の観点から、受入れ時に認定仕様と納品物が一致しているかを確認します。

防火戸は「普段は意識されないが、いざという時に命を守る設備」です。取付け後の作業でも、扉や枠に損傷を与えない、閉鎖を妨げないという意識を、各工種の作業者に共有しておくことが重要です。

法令上の位置づけ
防火戸は「防火設備」の代表例。防火区画では特定防火設備(1時間の遮炎性能)が求められる場合がある
閉鎖方式
常時閉鎖式と、感知器等と連動する随時閉鎖式がある
現場の注意
認定仕様どおりに施工し、開放固定や閉鎖範囲の障害物を作らない

柴田工業の現場から

上沢直二
上沢直二 事務・現場兼務

防火戸は、見た目が普通の扉でも認定仕様があります。書類や納品物のラベルを確認して、現場の記録にしっかり残すことを心がけています。

柴田工業の施工管理スタッフ募集
RECRUIT

知識ゼロからでも、
街をつくれる人になる。

施工管理・施工図スタッフ募集中。
年間休日約120日・賞与年2回・資格取得全額支援。