
鋼製建具
Steel Doors and Frames
鋼製建具とは
鋼製建具とは、鋼板を折り曲げ・溶接して作った扉、窓、枠などの建具の総称です。一般にスチールドア、鋼製扉、鋼製窓、スチールシャッターなどが含まれます。建物の出入口や機械室、倉庫、階段室、設備シャフトなどで広く使われています。アルミ建具や木製建具と比べて、強度が高く、変形しにくく、防犯性や耐久性に優れることが特長です。
鋼製であることから、後述する防火戸(防火設備・特定防火設備)としても多く使われます。
材料と表面処理
鋼製建具は鋼板製のため、錆への対策が重要です。素材には溶融亜鉛めっき鋼板や電気亜鉛めっき鋼板などの表面処理鋼板が使われ、その上に焼付塗装などの仕上げをするのが一般的です。素材の防錆は溶融亜鉛めっきや錆止め塗装の考え方と共通します。建具表面の仕上げ(色、塗装の種類、ガラリやのぞき窓の有無)は、設計図書や特記仕様書で決まります。
扉の中は、補強材を入れたり、断熱材や遮音材を充填したりして、必要な性能を確保します。防火性能を求める建具は、大臣認定や告示で定められた仕様で作る必要があり、現場で勝手に穴をあけたり部材を変更したりしてはいけません。
取付け方法と施工上のポイント
鋼製建具の枠の取付けには、いくつかの方法があります。
- 鉄筋コンクリート造では、枠を型枠に先にセットしてコンクリートを打ち込む「先付け」
- 開口をあけておき、後施工アンカーや溶接で固定する「後付け」
- 鉄骨造では、鉄骨の間柱や開口補強材に枠を溶接やボルトで固定する方法
- 軽量鉄骨壁下地に取り付ける場合は、開口部の補強や下地の剛性を確認したうえで固定する方法
いずれも、正確な位置出しのために墨出しを行い、施工図で枠の寸法、見込み、取付け位置、開き勝手、錠金物を確認します。施工図を使った調整が不十分だと、扉が開かない、床仕上げに当たる、ほかの設備と干渉するといった不具合が出ます。
当社の仕事では、鉄骨側の開口補強材や取付け下地の製作・取付けなど、鍛冶工事の領域で鋼製建具の納まりに関わります。建具工事は金属工事の隣接分野とも位置づけられるため、工種間の調整が重要です。
取付け時の品質管理と養生
鋼製建具の品質は、枠の建付け精度でほぼ決まります。枠の垂直、水平、対角寸法を取付け時に確認し、ゆがみがないことを確かめます。枠を溶接で固定する場合は、熱ひずみで枠が変形しないよう、溶接位置や順序を考えて少しずつ固定していきます。
亜鉛めっき鋼板を溶接すると、溶接部のめっきが損なわれるため、溶接後は防錆塗料でていねいに補修します。枠まわりのモルタル充填が不十分だと、扉の開閉時のがたつきや音、内部の結露による錆の原因になります。充填の際は、枠が圧力で変形しないよう、枠内の補強を確認します。
さらに、搬入後や取付け後は、傷や汚れ、他工種の作業による損傷を防ぐための養生が欠かせません。取付け後に扉の開閉、錠の作動、クローザーの調整を確認し、記録として残しておくと、引渡し時の手戻りを防げます。
柴田工業の現場から
鋼製建具は、鉄骨や下地の開口寸法がずれると取付けに響きます。調達の段階で施工図と開口寸法を突き合わせておくと、現場での手戻りが減ります。