
プレハブ工法
Prefabricated Construction Method
プレハブ工法とは
プレハブ工法は、建築物の部材や部品の一部または全部をあらかじめ工場で製作(プレファブリケーション)し、現場では組立てと据付けを中心に行う工法の総称です。「プレハブ」は英語の prefabricated の略で、日本では工場生産住宅や仮設事務所などを指して使われることが多い言葉です。
現場での作業を大幅に減らせるため、工期短縮、品質の安定、天候の影響の低減、現場作業員の省力化などが期待できます。鉄骨造との相性がよく、鉄骨のユニットやプレキャストコンクリート部材を工場で製作して現場で接合する方式が一般的です。
主な種類
代表的な分類には、次のようなものがあります。
- 軸組式:柱・梁などの骨組を工場で製作し、現場で組み立てる方式
- パネル式:壁・床・屋根をパネルとして製作し、現場で組み合わせる方式(ALCパネルなどを使う例もある)
- ユニット式:箱形の部屋単位を工場で仕上げまで行い、現場へ搬入して据え付ける方式
大規模な建築物でも、カーテンウォールやデッキプレート、軽量鉄骨壁下地のユニット化など、部分的にプレハブ化の考え方が取り入れられています。
メリットと留意点
メリットは、工場の管理された環境で製作するため品質管理がしやすいこと、現場の工程管理が容易になること、乾式工法が中心で現場の廃棄物や騒音が減ることなどです。
一方で、留意点もあります。部材の寸法精度が高く求められるため、基礎やアンカーボルトの位置精度、墨出しの精度が仕上がりを左右します。また、運搬やクレーンによる揚重の計画、仮設の足場や仮置き場の確保も重要です。設計変更に柔軟に対応しにくい点や、部材の運搬寸法の制約もあります。
鉄骨・仮設工事との関係
鉄骨工事では、工場で製作された部材を現場で建方し、高力ボルトや溶接で接合します。これもプレハブ的な考え方といえます。仮設事務所や仮設の詰所に使われるユニットハウスはプレハブの身近な例で、仮設鍛冶工事とあわせて計画されることがあります。
現場搬入前の計画が成否を分ける
プレハブ工法では、「現場で調整する」余地が小さいため、事前の取り合い検討が決定的に重要です。施工図の段階で、他の部材や設備との納まり、搬入経路、揚重機の能力と作業半径、据付手順を整理します。近年はBIMを使った干渉チェックで、製作前に不整合を見つける取組みが広がっています。さらに、現場側の基礎や下地の精度を事前に測定して確認し、許容差に収まっていない場合は、部材の製作前に是正する運用が有効です。接合部は、ボルト接合のトルク管理や、シーリングの施工など、現場での品質確認項目を明確にしておくことが大切です。
柴田工業の現場から
工場製作の部材は、現場で直す余地が小さいのが実情です。搬入日と揚重機の手配、基礎精度の事前確認を押さえておくと、工程が大きく崩れません。