
鉛作業主任者
Lead Work Chief
鉛作業主任者とは
鉛作業主任者は、労働安全衛生法および鉛中毒予防規則に基づき、一定の鉛業務を行う作業場で、作業を指揮して鉛中毒を防ぐために選任される作業主任者です。選任には、都道府県労働局長の登録を受けた機関が行う技能講習(鉛作業主任者技能講習)を修了することが必要とされます。
鉛は体内に取り込まれると、貧血、神経障害、消化器症状などの健康障害を引き起こす有害物質です。吸入や経口摂取が主な経路となるため、粉じんやヒュームの発散を抑える措置が重要になります。なお、ガソリン添加用の四アルキル鉛については、別に四アルキル鉛等作業主任者の制度があります。
主な職務
鉛作業主任者の職務は、作業に従事する労働者の汚染や吸入を防ぐための作業方法を決定して指揮することに加え、局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置などの設備を毎週1回以上点検すること、保護具の使用状況を監視すること、作業衣などの汚染を防止する措置を講じさせることなどです。具体的な項目は鉛中毒予防規則に定められているため、実務では最新の条文を確認してください。
建設・鉄骨工事での関わり
建設現場で鉛が問題となるのは、鉛を含む古い塗料(鉛系さび止めペイントなど)が使われた鋼構造物の改修・解体場面です。ガス切断、溶接、グラインダーによる素地調整(ケレン)などでは、鉛を含む粉じんやヒュームが発生するおそれがあります。錆止め塗装の旧塗膜を扱う際には、塗膜の含有物質を事前に調査することが重要です。
鉄骨の解体や仮設鍛冶工事に関わる場合も、既存部材の塗装履歴の確認と、必要に応じた湿式除去や保護具の使用、作業環境の管理が求められます。粉じんの飛散防止は安全管理の重要項目です。なお、鉛業務への該当可否や必要な措置は、作業内容や鉛の含有状況によって異なるため、労働基準監督署などに確認するのが確実です。
旧塗膜と鉛の扱い
かつて鋼構造物の防錆には、鉛丹や鉛系さび止めペイントなどが広く用いられていました。これらが使われた橋梁や鉄骨建物の改修では、塗膜の除去作業で鉛を含む粉じんが発生します。作業にあたっては、まず塗膜の成分分析で鉛含有の有無を確認し、含有が判明した場合は、作業区画の隔離、湿式工法や機械式の集じん付き工具の採用、適切な呼吸用保護具の着用などを組み合わせて曝露を低減します。除去した塗膜くずや集じん物は、廃棄物処理法に従って適正に処理する必要があります。また、作業者には必要に応じて健康診断(鉛健康診断)を実施します。鉛を扱う作業では、作業衣の持ち帰りによる家庭への汚染にも配慮し、更衣・洗身設備を整えることが大切です。
柴田工業の現場から
古い鉄骨の改修では、塗膜に何が含まれているかを先に調べることが大切です。資格者の選任や健診の記録を整えておくのも、私たち事務側の大事な役割です。