
木造建築物の組立て等作業主任者
Work Chief for Assembly of Wooden Buildings
木造建築物の組立て等作業主任者とは
木造建築物の組立て等作業主任者とは、労働安全衛生法に基づき選任が義務づけられている作業主任者の一つです。対象となるのは、軒の高さが5m以上の木造建築物の構造部材の組立て、またはこれに伴う屋根下地もしくは外壁下地の取付けの作業です。高所での柱、梁、小屋組などの部材の取扱いは、墜落や部材の落下、倒壊の危険を伴うため、技能講習を修了した者を作業主任者として選任し、作業を指揮させます。
この資格は、鉄骨造を対象とする建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者と同じ考え方に基づく制度です。構造の種類ごとに、組立て作業に特有の危険を管理する専任者を置く仕組みになっています。
主な職務
作業主任者の職務は、労働安全衛生規則に定められています。主なものは次のとおりです。
- 作業の方法および労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること
- 器具、工具、要求性能墜落制止用器具、保護帽などを点検し、不良品を取り除くこと
- 要求性能墜落制止用器具および保護帽の使用状況を監視すること
組立て作業では、仮の筋かいや仮設の支えを適切に設け、部材が自立するまで倒壊を防ぐことが重要です。また、強風や大雨、悪天候の場合には、作業を中止する判断も必要です。
選任と資格の取得
作業主任者は、都道府県労働局長の免許ではなく、登録機関が実施する技能講習を修了することで資格を得ます。選任は事業者の義務であり、選任した者の氏名を作業場の見やすい箇所に掲示するなどして、関係者に周知する必要があります。講習の受講要件や科目、時間は実施機関や改正により変わる場合があるため、受講前に実施機関の案内を確認してください。
弊社は鉄骨工事と仮設鍛冶工事が中心で、木造建築物の組立てを主に請け負う会社ではありません。ただし、木造の現場で足場や仮設材の設置を行う場合には、足場の組立て等作業主任者との役割分担が重要になるため、制度を理解しておくことに意義があります。
木造の組立て作業で気をつけたい危険
木造建築物の建方は、柱、梁、桁、小屋組などを順に組み上げていく作業です。組み上がる途中の構造体は、接合が完了するまで不安定な状態にあります。仮筋かいや仮の支えの設置が遅れたり、揚げた部材の固定が不十分だったりすると、風や作業中の振動で倒壊する恐れがあります。
また、高所での梁上作業では墜落の危険が高くなります。足場や親綱、墜落制止用器具の取付け設備を、作業計画の段階で先に検討しておくことが基本です。部材を吊り上げる場合には、クレーンの作業範囲に人が立ち入らないよう立入禁止の区画を設け、玉掛けの資格を有する者が合図と玉掛けを担当します。
作業主任者は、これらの計画が現場で実際に守られているかを、作業開始前と作業中に確認します。確認内容を記録として残し、変更があった場合には関係者へ周知します。単に資格を持つだけでなく、現場の状況変化に応じて指揮を行うことが求められます。
柴田工業の現場から
当社は鉄骨が中心ですが、作業主任者制度の考え方は構造が違っても共通しています。選任の掲示や周知など、事務手続きの抜けがないよう気をつけています。