
足場の組立て等作業主任者
Scaffold Erection Work Supervisor
足場の組立て等作業主任者とは
足場の組立て等作業主任者とは、足場の組立て・解体・変更の作業を安全に進めるため、現場で作業を直接指揮する国家資格者です。労働安全衛生法に基づく作業主任者の一つで、「足場の組立て等作業主任者技能講習」を修了した人の中から事業者が選任します。足場からの墜落や足場そのものの倒壊は建設業の重大災害の代表例です。そのため、作業の計画から終了まで、資格を持つ人が責任をもって指揮する仕組みになっています。
選任が必要になる作業
労働安全衛生法施行令第6条により、次の足場の組立て、解体、変更の作業では作業主任者の選任が必要です。
- つり足場(ゴンドラのつり足場を除く)
- 張出し足場
- 高さが5m以上の構造の足場
高さ5m未満の一般的な足場は、この選任義務の対象外です。ただし、足場の組立て・解体・変更の作業に従事する人には特別教育が必要です(足場の組立て等作業従事者)。現場では5m未満でも主任者資格者に指揮をさせる会社が多くあります。
主任者の職務
職務は労働安全衛生規則第565条に定められています。主な内容は次のとおりです。
- 材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くこと
- 器具、工具、要求性能墜落制止用器具、保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと
- 作業方法および労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること
- 要求性能墜落制止用器具や保護帽の使用状況を監視すること
あわせて、組立て・解体・変更の時期、範囲、順序を、作業に従事する労働者に周知する義務が事業者にあります。主任者は名前だけではなく、現場に出て作業を見ている必要があります。
当社の現場での位置づけ
鉄骨の建方や仮設鍛冶工事では、足場の架け払いが工程と密接に結びつきます。組立て段階では、手すり先行工法の採用、クランプやくさびの緊結状態の確認、踏板の取付け状況の確認などを主任者が見ます。完成後の点検は仮設足場の定期検査に沿って行い、日々の安全管理は安全管理の体制の中で行います。
選任の実務で押さえたい点
作業主任者は「資格を持っているから置けばよい」ものではありません。選任の流れで注意したい点を挙げます。
まず、技能講習の修了証が現場に備わっているかを確認します。修了証を持っていても、その現場の足場の構造や作業内容を把握していなければ、指揮は機能しません。作業前の打合せで、組立ての順序や範囲、使用する部材、墜落防止措置を主任者が説明し、全員が共有することが基本です。
次に、作業の途中で足場の構成が変わる場合です。壁つなぎの追加、開口部の養生、荷上げ設備の設置などで、足場の形状は計画から変わっていくことがあります。変更のたびに安全上の確認を行い、必要に応じて計画を見直します。
最後に、強風や大雨、地震のあとの扱いです。悪天候後には足場の点検が必要で、異常があれば補修してから作業を再開します。主任者が日常から現場の状態を見ていることで、異常に早く気づけます。
なお、技能講習の受講資格や時間数、法令改正の内容は変わることがあります。受講する際は、登録教習機関の最新の案内と厚生労働省の情報を確認してください。
柴田工業の現場から
足場は毎日使うものだけに、組む段階で手を抜くと後で必ず響きます。主任者が作業前に順序と墜落防止の段取りを言葉にして共有してくれる現場は、不思議と事故もヒヤリも少ないです。