
研削といし取替試運転作業者
Grinding Wheel Replacement and Trial Operation Worker
どんな資格か
研削といし取替試運転作業者は、研削盤などに使う研削といしの取替え、または取替え時の試運転の業務に従事する者です。労働安全衛生規則第36条で、この業務に就かせるときは事業者が特別教育を行うことが定められており、その教育を修了した者が該当します。国家資格や技能講習とは異なり、事業者が自ら実施するか外部機関の講習を受けさせる教育です。教育を行ったときは、修了記録を残して保管します。
なぜ特別教育が必要か
研削といしは高速で回転するため、取付けが不適切だったりひび割れがあったりすると、破裂して破片が飛散し、重大な災害を招くおそれがあります。このため、といしの選定、フランジ・ブッシュの取付け、バランス調整、回転数の確認などの知識と技能を持つ者に、取替えと試運転を任せる仕組みになっています。
教育の内容は、研削盤・研削といしについての知識、取付け方法、試運転の方法、関係法令などの学科と、取付け・試運転の実技で構成されます。
試運転の基本ルール
労働安全衛生規則第118条では、研削といしについて、その日の作業を開始する前には1分間以上、といしを取り替えたときには3分間以上の試運転を行うよう定めています。また、といしを最高使用周速度を超えて使用しないこと、覆いを設けることなども規定されています。
鉄骨製作や仮設鍛冶工事の工場・現場では、グラインダーやバンドソー、ボール盤など多くの工作機械を使います。開先加工や溶接後の仕上げ研削でも、といし機器の安全な管理が必要です。安全管理の一環として、取替えを行う者を限定し、作業前点検を習慣にすることが大切です。
取替え作業の実務上の注意
といしの取替え前には、新しいといしに割れや欠けがないかを目視と打音(軽くたたいて音を確かめる方法)で確認し、表示されている最高使用周速度と機械の回転数が適合しているかを照らし合わせます。取付け後は、覆いの位置、受け台と調整片の間隔など、機械側の安全装置の状態も見直します。
試運転は、といしの正面に立たず、側方の安全な位置から行うのが基本です。異常な振動や音があれば直ちに停止し、原因を確認します。取替え後の3分間の試運転は、取付けの不具合を安全に見つけるための時間と位置づけられます。
なお、研削盤以外の携帯用の工具の扱いについては、使用する機器の種類によって適用関係が異なる場合があります。判断に迷う場合は、所轄の労働基準監督署や、メーカーの取扱説明書、関係通達で確認してください。
教育修了者の名簿を作り、取替えを担当する者を明確にしておくと、管理の抜けを防げます。
柴田工業の現場から
教育の修了記録は、いざ監督署の確認が入ったときに必ず見られる書類です。誰がいつ受講したかを一覧にして、更新や新人の受講漏れがないようにしています。