グラインダーに関する建設現場イメージ
Grinder

グラインダー

Grinder

現場用語
ぐらいんだー

グラインダーとは

グラインダーとは、高速で回転する研削といしやワイヤーブラシなどの先端工具を使い、金属の研削、切断、バリ取り、錆落としなどを行う電動工具です。建設現場でよく使われるのは、片手または両手で持って使うディスクグラインダー(アングルグラインダー)です。工具先端には、平らな研削といし、切断といし、フラップディスク、カップワイヤーブラシなどを取り付け、作業内容に応じて交換します。電源は交流100V式、充電式、エア式があります。

グラインダーは鉄骨工事や仮設鍛冶工事の中で、最も出番の多い工具の一つです。使い方が手軽な分、事故も多い工具です。研削といしが破損して飛散したり、工具が跳ね返ったりする災害が起きやすいため、正しい知識と手順が必要です。

鉄骨・仮設鍛冶工事での使い方

主な用途は次のとおりです。溶接後のビード(余盛り)の仕上げや、スパッタの除去、溶接前の開先面の清掃、母材表面の錆・塗膜・油分の除去です。また小さな部材や鉄筋、仮設材の切断にも切断といしを用います。溶接前に母材表面の錆や付着物を除くことは、溶接欠陥を防ぐうえで基本です。溶接ビードの管理では、仕上げ時に母材を削り込みすぎない注意も必要です。スカラップ周辺の仕上げなど、応力が集中しやすい箇所では、研削の方向や仕上げの程度が設計や施工要領書の指示に沿っているかを確認します。

先端工具の選定も重要です。切断といしは側面での研削に使ってはいけません。側面に力がかかる設計になっていないため、破損の危険が高まります。研削といしには最高使用周速度が表示されており、機械の回転数がこれを超えない組合せで使います。といしに割れや欠けがないかを取付け前に確認し、といしを軽くたたいて音で異常を確かめる方法も一般に知られています。

安全管理の要点

労働安全衛生法令では、研削といしの取替えや取替え時の試運転の業務には特別教育の修了が必要です。さらに、労働安全衛生規則で、その日の作業開始前には1分間以上、といしを取り替えたときは3分間以上の試運転を行うことが定められています。試運転中は、といしの回転方向の延長線上に立たないようにします。といしには覆い(保護カバー)を取り付け、外したまま使用してはいけません。

保護具は、保護めがね(できれば防護面)、防じんマスク、耳栓、革手袋などを作業内容に応じて着用します。火花が飛散するため、周囲の可燃物の撤去や火花養生を行い、近くに消火器を置きます。また、作業中の姿勢、工具の持ち方、使用場所の足場の状態にも気を配ります。高所では作業中の落下物にも注意が必要です。作業前のKY活動で、使う先端工具と火気の有無を確認し、安全管理の一環として工具の点検記録を残しておくと安心です。

キックバックと「といしの寿命」

ディスクグラインダーの典型的な事故に、キックバック(跳ね返り)があります。回転するといしが材料に食い込んで急に止まりかけると、工具が作業者の側へ跳ね上がる現象です。切断中に材料が動いたり、切断溝が閉じてといしを挟み込んだりすると起こりやすくなります。対策は、切断する材料をしっかり固定すること、といしを溝の中でねじらないこと、両手で確実に保持すること、体を回転面の延長線上に置かないことです。

また、といしには使用期限があります。結合剤の劣化で強度が落ちるため、製造から長期間たった切断といしは使わないのが原則です。保管場所は湿気を避けるようにします。取扱説明書や表示に従い、といしの径が小さくなったものは交換します。工具のスイッチにはロック機構がついた機種もあるため、使用後は必ず電源を切り、といしが完全に停止してから置くようにします。ちょっとした油断を防ぐことが、現場での大きな災害を防ぐことにつながります。

主な用途
溶接ビードの仕上げ、錆・塗膜の除去、小物部材の切断
法令上のポイント
といし取替え等は特別教育が必要、始業前1分以上・取替え後3分以上の試運転
安全の基本
覆いの取付け、保護めがね・防じんマスク、火花養生、側面使用の禁止

柴田工業の現場から

上沢直二
上沢直二 事務・現場兼務

グラインダーは手軽に使える分、といしの種類や取付けを確認せずに使ってしまう場面を見かけます。始業前の試運転と保護具は、面倒でも毎回行うことが事故を防ぐ近道だと感じます。

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