
合成樹脂調合ペイント
Synthetic Resin Ready-Mixed Paint (SOP)
合成樹脂調合ペイントとは
合成樹脂調合ペイントは、フタル酸樹脂などの合成樹脂ワニスに顔料や溶剤、乾燥剤を調合した油性系の塗料です。略して「SOP」(Synthetic resin Ordinary Paint)と呼ばれることが多く、JIS K 5516に規定されています。刷毛塗りがしやすく、乾燥すると光沢のある塗膜をつくるため、鉄部・木部の一般的な上塗りとして古くから使われてきました。
建築工事では、屋内外の鉄骨階段、手すり、鋼製建具、設備配管の支持金物、軒樋の金物といった「鉄部」の仕上げに採用される例が多い塗料です。公共建築工事標準仕様書の塗装仕様でも、鉄鋼面の塗装種別の一つとして扱われています。
鉄骨工事・鍛冶工事との関わり
鉄部に塗装する場合、上塗りだけでは防食性能は確保できません。下地として錆止め塗装を施し、その上に合成樹脂調合ペイントを重ねるのが基本の構成です。鋼材の素地は、ミルスケールや油分、錆を取り除く素地ごしらえが不十分だと、塗膜のふくれや早期の剥離につながります。鉄骨工事や仮設鍛冶工事で扱う手すり・階段・架台などの金物を現場で仕上げる際にも、同様の考え方が必要です。
なお、鉄骨の主要構造部の防錆には、より耐久性の高い塗料やめっきが選ばれることもあり、用途や環境に応じた塗料選定が重要です。
施工上の留意点
- 塗装は気温や湿度の条件を守る。低温(概ね5℃以下)や高湿度、降雨・結露のおそれがある時は避ける。
- 塗り重ねは乾燥時間を確認し、塗膜が十分に乾いてから行う。
- 溶剤を含むため、換気と火気管理を徹底する。
- コンクリートやモルタルなどのアルカリ性下地には適さず、鉄部・木部向けである。
塗装は仕上がりが目に見える工種であり、品質管理の面でも、塗装前の下地確認や塗り回数・膜厚の記録が欠かせません。
耐候性と使い分けの考え方
合成樹脂調合ペイントは施工が容易で価格も比較的抑えられる一方、塗膜の耐候性や耐久性は、ウレタン樹脂系やふっ素樹脂系など高機能な塗料には及びません。屋外で長期間の美観・防食を求める部位では、耐候性塗料が選ばれる傾向にあります。
したがって、採用にあたっては、設置環境(屋内か屋外か、海岸地域か)、再塗装のしやすさ、ライフサイクルコストを総合的に検討します。再塗装が容易な手すり・小物金物には合成樹脂調合ペイント、足場が必要な高所の外装部には高耐久塗料、といった使い分けが一般的です。設計図書や特記仕様書の指定を確認し、不明点は監督職員に確認してください。
柴田工業の現場から
手すりや階段の塗装は、塗る前の素地ごしらえで仕上がりの寿命が決まります。錆止めを塗る前にケレンと清掃をしっかり行うようにしています。