素地ごしらえに関する建設現場イメージ
Substrate Preparation (Surface Preparation before Painting)

素地ごしらえ

Substrate Preparation (Surface Preparation before Painting)

工事の種類
そじごしらえ

素地ごしらえとは

素地ごしらえとは、塗装などの仕上げを行う前に、塗る対象の面(素地)を整える作業の総称です。鉄部ではミルスケール、錆、油分、汚れ、水分などを取り除き、塗膜が密着しやすい状態にします。素地の状態が悪いまま塗装すると、早期のはがれ、ふくれ、錆の再発といった不具合につながるため、塗装の仕上がりと耐久性を左右する重要な工程です。

鉄骨・鉄部での素地ごしらえ

鉄骨の素地ごしらえでは、錆や黒皮(ミルスケール)の除去、溶接部のスラグやスパッタの除去、油脂類の拭き取りなどを行います。工場ではブラスト処理が用いられることがあり、現場ではグラインダーやワイヤブラシ、ディスクサンダーなどの動力工具・手工具で錆を落とします。除去後は、時間をおかずに錆止め塗装を行うのが基本です。放置すると再び錆が発生するためです。

また、鉄骨の高力ボルト接合部の摩擦面は、塗装してはならない部分であり、素地ごしらえや塗装の際に養生が必要です。摩擦面の処理は、すべり係数の確保に関わります。

他の素地での考え方

コンクリートやモルタル面では、レイタンスや油分、汚れの除去、乾燥状態の確認が中心になります。木部では汚れや脂分の除去、研磨、節止めなどを行います。素地の種類と使用する塗料の組合せにより適切な処理が変わるため、特記仕様書や塗料メーカーの仕様に従うことが前提です。なお、素地ごしらえと似た言葉に下地処理があり、現場や仕様書によって使い分けや範囲が異なる場合があります。

施工管理上のポイント

素地ごしらえは塗装後には確認できなくなる工程のため、品質管理として施工中の写真記録や中間検査での確認が有効です。気温が低い、湿度が高い、結露がある、雨天といった条件では塗装自体を避ける判断が求められます。

素地調整の程度と仕様書の読み方

鉄部の錆落としの程度は、公共建築工事標準仕様書などで「種別」として区分され、どの程度まで錆や旧塗膜を除去するかが定められています。現場で「素地ごしらえ」と書かれていても、実際に必要な処理レベルは工事ごとの仕様書によって異なります。着手前に特記仕様書を確認し、使用する工具、除去の程度、使用塗料との適合を施工計画書に記載して共有しておくと、後工程との認識違いを防げます。

溶接部は凹凸やスパッタが残りやすく、塗膜の薄い部分から錆びやすいため、念入りな処理が必要です。

目的
塗膜の付着性を確保し、はがれ・錆の再発を防ぐ
主な作業
錆・黒皮・油分・汚れの除去と清掃
注意点
高力ボルト摩擦面は塗装しない。処理後は速やかに錆止め塗装

柴田工業の現場から

佐藤世人
佐藤世人 工事部

塗装は仕上がりが目立ちますが、持ちを決めるのは素地ごしらえです。溶接部のスパッタ取りは地味ですが手を抜かないようにしています。

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