
現場管理費
Site Overhead Cost (Site Management Expenses)
現場管理費とは
現場管理費とは、工事を施工するために現場で必要となる経費のうち、材料費・労務費・外注費など個々の工種に直接割り付けられないものをまとめた費用です。公共工事の積算体系では、工事原価は直接工事費、共通仮設費、現場管理費で構成され、これに一般管理費等を加えて工事価格が決まります。
代表的な内容には、現場従業員の給料手当、退職金、法定福利費、福利厚生費、事務用品費、通信交通費、保険料、補償費、租税公課などがあります。工事の規模や種類に応じて、直接工事費等に対する率で算定する方式が公共工事では広く使われています。具体的な率や算定式は発注機関・年度によって異なるため、最新の積算基準で確認してください。
一般管理費との違い
よく混同されるのが一般管理費です。現場管理費は、特定の工事現場に紐づく経費であるのに対し、一般管理費は本社の役員報酬や事務職員の給与、本社の家賃など、会社全体を運営するための経費で、工事ごとの配分が難しいものです。区分を明確にしないと、原価管理で工事ごとの採算が正しく把握できません。
また、仮囲いや仮設事務所などは、共通仮設費として別に扱うのが公共工事の考え方ですが、民間工事では現場管理費に含めて見積もる場合もあります。見積書の内訳書でどこに何を含めたかを明記することが大切です。
現場運営での注意点
現場管理費は、工期が延びるほど増えるという性質があります。管理者の人件費や現場事務所の維持費が、日数に比例して積み上がるためです。したがって、工程管理の遅れは、そのまま利益を圧迫します。また、施工管理の体制をどの程度手厚くするかも、現場管理費の水準に影響します。
仮設鍛冶工事や鉄骨工事のような専門工事会社でも、自社の現場代理人や職長の人件費、安全書類の作成費用などを現場管理費として見積に織り込みます。
工期延長時の現場管理費の扱い
天候不良や設計変更、他工種の遅れなどで工期が延びた場合、増加した現場管理費を発注者に請求できるかが問題になります。原因が受注者の責めに帰さない場合は、契約書の変更協議の条項に基づき、増加費用の負担を協議するのが一般的です。
協議を円滑に進めるには、日々の施工管理日誌や工程表の記録を残し、遅延の原因と期間、増加した人員や経費を客観的に示せるようにしておくことが重要です。口頭のやり取りだけでは、後から根拠として示すことが難しくなります。設計変更を伴う場合は、設計変更審査の手続きも合わせて確認しておきましょう。
柴田工業の現場から
現場管理費は見えにくい経費ですが、工期が延びると確実に膨らみます。日々の記録が、後の協議で自社を守ってくれると実感しています。