仮設費積算に関する建設現場イメージ
Temporary Works Cost Estimation

仮設費積算

Temporary Works Cost Estimation

管理の5本柱
かせつひよさん

仮設費積算とは

仮設費積算(かせつひよさん)は、建設工事における仮設工事の総工事費を数量と単価から計算する業務です。仮設鍛冶工事陸設工事足場、仮囲い、仮設支保、支保工システムなど、建物完成後に撤去される工事の原価を積算します。

本体工事費の10~20%程度を占める仮設費の精度は、施工企業の収益性に大きく影響するため、経験と知識に基づいた正確な積算が必須です。

仮設費積算の構成要素

数量測定

施工図・設計図面から以下を算出します:

  • 足場面積(m²):建物外周×階数×1.5倍程度(張出し分)
  • 仮囲い長さ(m):敷地周囲長(打込み杭本数含む)
  • 仮設支保材量(t)仮設支持装置の鋼管重量
  • 型枠面積(m²):コンクリート打設面積×必要回転数
  • 仮設電源容量(kVA):主要機械消費電力の合計+予備

測定時には、仮設期間中の気象条件(台風対策など)による数量増減も考慮します。

単価決定

単価は以下の方法で決定されます:

  • 公開単価表の利用:建設物価、積算資料などの市場単価
  • 過去実績の参照:同社過去工事の原価実績
  • 仕入見積書:レンタル業者(足場、支保工等)からの見積単価
  • 労務単価:仮設工事に従事する技能労働者の日給×人日数

特に足場・仮設支保はレンタル物件が大宗を占めるため、借地期間(月数)と借入台数に基づく正確な見積が重要です。

仮設費の主要科目

(1)足場費:建物周囲の作業用足場の賃借料・組立解体

(2)仮囲い費:現場周囲の仮囲い設計実現費

(3)仮設支保費支保工システム、仮設杭、腹起しなど

(4)仮設電気・給水費:仮設電源盤、配線、給水管敷設・撤去

(5)仮設トイレ・休場費:工事用トイレ賃借、休憩室設営

(6)仮設道路・駐車場費:大型車両通行のためのRC版敷設、撤去

(7)安全管理費安全管理員配置、安全教育、仮設安全施設

(8)環境管理費仮設仮囲い(騒音・粉塵対策)

積算の実務ステップ

ステップ1:施工計画の把握
工期、工事規模、施工条件(狭隘地か広大敷地か)、近傍環境(住宅密集地か)を確認。

ステップ2:仮設工事の種類・規模を決定
どの足場システム(くさび足場 or 支保工)、仮囲いの仕様(防音パネル必要か)などを基本計画で判定。

ステップ3:数量を正確に算出
設計図から寸法を読み取り、借地期間(何ヶ月か)を明確にする。

ステップ4:単価を確保
レンタル業者に見積依頼し、市場単価を把握。過去実績と比較検証。

ステップ5:積算書作成
科目ごとに数量×単価を集計し、歩掛り妥当性(1m²あたりの単価)を確認。

ステップ6:変動費と固定費の分離
工期変更時の影響(借地費増減)と、工事内容に関わらず必要な費用(安全員など)を区分。

精度向上のポイント

仮設費は工事中盤で追加工事が発生しやすい領域です。実績と見積の乖離を減らすため、以下の管理が重要です:

  • 月次原価確認:レンタル料請求書と見積との比較
  • 施工記録の蓄積:実際の仮設工事実績を積算部門にフィードバック
  • レンタル事業者との契約交渉:長期借地による割引交渉、損耗品費用の明細化
  • 同業他社ベンチマーク:業界平均単価との比較(過度に安い見積は品質リスク)

借地期間の決定

足場・仮設支保のレンタル費は「月単価×借地月数」で計算されます。本来の施工期間に、組立・解体期間(通常各1~2ヶ月)を加算した期間を借地期間とします。例えば、本体工事12ヶ月の場合、足場借地は14~15ヶ月となります。

工期短縮の余地がないか、段階的な足場撤去(上層階の竣工に伴う撤去)で月数を圧縮できないか検討することで、仮設費削減の可能性が生まれます。

支保工システムの選択と原価差

従来のくさび足場とシステム支保工(Sロック、ビッグターン等)では、単価が大きく異なります。くさび足場は安価(1m²当たり800~1,200円/月)ですが、解体時の労務が多く、狭隘地での組立が困難です。対するシステム支保工は単価高め(1,500~2,500円/月)ですが、組立速度が速く、安全性が高い利点があります。

工期が短い、または敷地が狭い場合は、システム支保工の採用で総工事費(工期短縮による直接経費削減)が安くなることもあります。

環境費の見落とし

都市部工事では、仮囲い仮設、防音対策、仮設照明、安全管理員配置などの「見えにくい費用」が膨らみやすいです。これらは数量が小さく見えても、継続的な月額費用(例:安全員1名月10日稼働×月給25万円÷月数日=高額)となるため、積算段階での正確な把握が利益を左右します。

費用構成
本体工事費の10~20%が仮設費(工事規模で変動)
主要科目
足場、仮囲い、支保工、電気、水道、安全・環境
単価根拠
市場単価+過去実績+レンタル見積の総合判定

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

仮設費積算は数字の羅列に見えるかもしれませんが、実は現場をどう組み立てるか、どう効率化するかの戦略そのものです。精度が甘いと工事中盤で予想外の追加費用が出て、赤字転落することもあります。

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