ショーリングシステムに関する建設現場イメージ
Shoring System

ショーリングシステム

Shoring System

工事の種類
しょーりんぐしすてむ

ショーリングシステムの概要

ショーリングシステム(shoring system)は、鉄骨造建物の組立工事において、梁を受ける下階の床が完成する前に、上階の施工を行う場合に使用される仮設支保工です。調整可能な支柱とビーム(梁)で構成され、上階の鉄骨や施工荷重を下層へ段階的に伝達し、安全かつ効率的な施工を実現します。

特に大型商業施設やオフィスビルなど、工期短縮が重要なプロジェクトで多用され、柴田工業のような鉄骨・仮設鍛冶工事会社の重要な施工技術となります。

ショーリングシステムの機能と利点

1. 上階施工の早期化
コンクリート床版(deck-koji施工)が下階で硬化する前に、上階の鉄骨組立を開始できます。このため、全体的な工期を大幅に短縮できます。例えば、1層につき通常は2週間程度の工期が必要ですが、ショーリングシステムを活用すれば1週間程度に短縮される場合もあります。

2. 安全性の確保
梁がスパンする状態で上階の作業員が作業すると、梁のたわみや揺れが生じます。ショーリングで中間支点を設けることで、たわみを制限し、安全で安定した作業環境を提供します。

3. 精度管理の向上
支柱の高さを微調整することで、梁の建て入れ管理(tateire-kanri)を精密に行うことができます。レベル調整により、上階床の水平度(hariate-kanri)を容易に確保できます。

4. 施工負荷の分散
支保荷重が段階的に下層へ伝わるため、下層の鉄骨や躯体への局部集中荷重を軽減できます。

ショーリングシステムの構成要素

支柱(vertical member)
通常、油圧ジャッキ付きのスチール製支柱を使用します。高さ調整が容易で、支持力が大きいのが特徴です。支柱間隔は梁のスパンと荷重に応じて計算され、通常3〜6m間隔で配置されます。

横梁(horizontal beam)
支柱の上部に支持される鋼製の梁。上階の梁(deck-koji直下)を受けます。通常、角形鋼管やH形鋼が用いられ、支柱間隔に応じた断面が設計図で指定されます。

レベリングジャッキ
支柱の上部に設置され、水平面を微調整する装置。ネジ式またはジャッキ式があり、水準器を用いた調整が行われます。

設計と計画

ショーリングシステムの設計には、上階からの荷重計算が必須となります。施工段階での鉄骨自重、作業員の重量、資材置きの荷重などを合算して、必要な支柱断面・本数・間隔が決定されます。この設計は、施工会社の技術者が行い、構造計算書として保管されます。

また、支柱の配置図は建て入れ管理(tateire-kanri)と関連し、各支柱の位置が基準線に対する正確さが、上階の精度に直結します。

施工での注意点

段階的な設置
ショーリングは最初に下層に設置され、その後上層に向けて段階的に拡張されます。各段階で安定性が確保されることが重要です。

不等沈下の防止
支柱が地盤に直置きされる場合、地盤の不均一沈下を防ぐため、敷板(base-plate)を敷きます。軟弱地盤では、鋼矢板(yamadome)で地盤を補強することもあります。

レベル調整の精密性
水準器を用いた定期的なレベル確認が必須です。組立進行に伴う荷重変化で、支柱が沈下する可能性があるため、1日1回程度の再調整が推奨されます。

安全教育
高所での作業となるため、足場(ashiba)や安全帯の装備、KY活動(ky-katsudo)による安全教育が重要です。

撤去と片付け

下階の床が十分な強度を得た後(通常、コンクリート圧縮強度が設計強度の80%以上)、ショーリングは段階的に撤去されます。撤去時も上階への影響がないよう、計画的に実施される必要があります。

ショーリングシステムの施工フロー

典型的な施工進行順序は以下の通りです:

【1階施工時】
(1)敷板設置 → 支柱据付け(G.L.+0~4m)→ レベル調整
(2)1階床コンクリート施工開始
(3)同時に上部にショーリング用横梁を設置

【2階施工時】
(1)1階床のコンクリートが硬化途中でも、上部ショーリングで2階梁を支持
(2)2階の鉄骨組立開始 → デッキ敷設→ 2階床コンクリート施工
(3)1階床硬化完全終了後、1階ショーリングを撤去

【3階以上】
以上と同様の手順を繰り返す

この施工法により、フロアごとに2週間で完成させるのではなく、1週間単位で複数フロアが並行施工され、全体工期が大幅に短縮されます。ただし、品質管理(hinshitsu-kanri)・安全管理(anzen-kanri)が複雑になるため、経験豊富な施工管理技士(sekou-kanri-gishi)の配置が不可欠です。

機能
未完成床を支える仮設支保工。工期短縮と安全性向上を実現
構成
油圧ジャッキ付き支柱と鋼製横梁。高さ微調整が可能
管理ポイント
段階的設置・不等沈下防止・レベル定期確認・段階的撤去

柴田工業の現場から

上沢直二
上沢直二 事務・現場兼務

ショーリングシステムは、使い方次第で工期を2週間以上短縮できる強力な工法ですが、管理が難しいんです。支柱の沈下、梁のたわみ、上階の狂い—全て連鎖します。だから毎日計測して、狂いが出たら即座に補正する。その執念が成功を決めます。

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