
複層ガラス
Double-Glazed Unit (Insulating Glass)
複層ガラスとは
複層ガラスは、2枚(または3枚)のガラスをスペーサーで隔て、間に乾燥空気やアルゴンガスなどを封入した層を設けて、周囲を封着したガラスです。一般に「ペアガラス」とも呼ばれます。単板ガラスに比べて断熱性が高く、冷暖房負荷の低減や、窓面の結露の抑制に役立ちます。
種類と特徴
通常のガラスを組み合わせたものに加え、表面に金属膜をコーティングした Low-E 複層ガラスがあります。Low-E は熱の移動を抑える機能があり、日射の取り込みや遮蔽の度合いを使い分けられます。また、防犯・遮音・防火など目的に応じて合わせガラスや網入りガラスを組み合わせる例もあります。製品ごとに性能値が異なるため、採用時はメーカーの性能表示や設計図書で確認します。
施工と注意点
取付けはガラス工事の一環で、アルミニウム製建具や鋼製建具、カーテンウォールに納めます。複層ガラスは重量があるため、搬入・取付けでは荷揚げ設備やクレーン、吸盤などを使った安全管理が重要です。周囲のシーリングや支持部材(ガラスを支えるセッティングブロックなど)の適切な選定が、封着部の耐久性に影響します。
使用上の留意点
封着部が劣化して内部に湿気が入ると、内部結露や曇りが生じることがあります。また、枠内の水が抜けず封着部が水に浸かり続ける状態は、劣化を早める要因とされるため、サッシ側の排水計画にも配慮します。熱割れ(ガラス内の温度差による割れ)の可能性がある条件では、ガラスの種類や取付け条件を設計段階で検討します。
断熱性能と結露の関係
複層ガラスの断熱性は、中空層が熱の伝わりを抑えることで生まれます。室内側のガラス表面温度が単板に比べて高くなるため、室内の水蒸気が冷やされて水滴になる結露が起こりにくくなります。ただし、結露は窓ガラスだけでなくサッシ枠でも生じます。枠に熱を伝えやすいアルミ材が使われていると、ガラスが高性能でも枠で結露することがあります。そのため、省エネ性能を考える際は、ガラス単体ではなくサッシを含めた窓全体の性能で判断することが大切です。また、建物全体の熱環境は断熱工事との組み合わせでも変わります。
柴田工業の現場から
複層ガラスは思った以上に重く、取付け時の揚重や仮置きに気を使います。足場や開口部の養生も事前に段取りしておくことが大切です。