
アルミニウム製建具
Aluminum Windows and Doors (Aluminum Sash)
アルミニウム製建具とは
アルミニウム製建具は、アルミニウム合金の押出形材で枠や框(かまち)を作った窓、出入口、ドアなどの総称で、一般には「アルミサッシ」と呼ばれます。軽量で加工しやすく、さびにくいため、住宅からオフィスビル、工場まで広く使われています。形材は押出成形で複雑な断面を作れるので、水密性や気密性を高める構造にしやすい点も特長です。
鋼製の鋼製建具と比べると、軽くて耐食性に優れる一方、強度や耐火性能は低めです。そのため、防火区画の開口部には、法令で定められた防火設備の認定を受けた製品(防火戸)を使います。アルミ製の防火設備もあり、用途ごとに適切な製品を選びます。建築工事の区分では金属工事や建具工事の一つにあたります。
性能と規格
窓用サッシは、JIS A 4706(サッシ)で性能が規定されています。主な性能項目は次のとおりです。
- 耐風圧性:風圧に対する枠・ガラスの強さ
- 気密性:すき間からの空気の漏れにくさ
- 水密性:風を伴う雨水の浸入しにくさ
- 遮音性:音の透過を抑える性能
- 断熱性:熱の通りにくさ
それぞれ等級が定められており、建物の高さや立地、用途に応じて必要な等級を設計図書で指定します。ドアは別規格(JIS A 4702 ドアセット)で扱われます。表面処理としては、陽極酸化皮膜(アルマイト、JIS H 8601)、塗装、陽極酸化塗装複合皮膜などがあり、外観と耐久性が変わります。
取付けの方法と注意点
躯体への取付けは、枠をアンカーで固定する方法が一般的です。コンクリート躯体の場合は、あらかじめ埋め込んだアンカーや後施工アンカーに取り付け金物を介して固定します。鉄骨造では、開口まわりに鉄骨の下地材(縦枠・まぐさ・窓台)を設けて、そこに取り付け金物を溶接またはボルト留めするのが通例です。
施工上の主な注意点は次のとおりです。
- 位置と精度:墨出しを基準に、枠の上下左右、水平・垂直を確認しながら仮固定する。枠がゆがむと開閉不良や水漏れの原因になる。
- 水密処理:枠まわりをシーリングで処理する。バックアップ材やプライマーの使用、充填後の仕上げなど、目地の施工手順を守る。
- 異種金属接触腐食:アルミが鉄などの異種金属と湿潤状態で接触すると、アルミ側が腐食しやすい。取付け金物の材質やめっき、絶縁材の使い方に注意する。
- アルカリによる腐食:セメントやモルタルが付着したままにすると、アルミ表面が傷む。施工中の養生と、付着物の早期の洗浄が重要。
- 養生と運搬:表面処理を傷つけないよう、保護フィルムの使用や取扱いに気をつける。
鉄骨工事との関わり
建具そのものはサッシ専門業者が取り付けますが、開口まわりの下地鉄骨は鉄骨工事側の担当になることが多くあります。建具のメーカーが決まる前に鉄骨製作が進むと、取付けの下地がずれるおそれがあります。施工図で建具の寸法・取付け方式を早めに確認し、鉄骨製作図に反映することが大切です。
外壁パネルとサッシの取合いで起こりやすい不具合
鉄骨造では、外壁にALCパネルや金属パネルを使うことが多く、開口部ではサッシとの取合いが問題になりやすい部分です。代表的な不具合は次のとおりです。
- 雨水の浸入:サッシ枠とパネルの間のシーリングの切れや、水切りの不備。シーリングは経年で劣化するので、位置ごとに定期点検が必要。
- 地震時の変形:鉄骨造の層間変形によって、サッシ枠やガラスに過大な力が加わることがある。パネル側のロッキングなど、構造体の変形に追従する取付け方式を確認する。
- 結露:アルミは熱を伝えやすく、冬季に枠で結露しやすい。断熱性能の高い複層ガラスや樹脂との複合サッシが採用される例が増えている。
これらは取付け後の補修が難しいので、設計段階から外壁、サッシ、シーリングの各業者で納まりを確認し、必要に応じて実物大の試験施工や、品質管理の一環としての確認検査を行います。
柴田工業の現場から
サッシの開口まわりの鉄骨は、メーカーが決まらないと寸法が確定しないことがあります。取付けの方式を早く確認して、製作図に反映させることが現場の手戻りを減らすコツです。