
目地
Joint (Building Joint)
目地とは
目地(めじ)は、建築で部材と部材が接する継ぎ目や、あえて設けた隙間・溝のことです。タイルや石、ブロックの間の筋のほか、コンクリートの打継ぎ部、外壁パネルどうしの隙間、サッシまわりのすき間など、非常に広い範囲を指します。目地には、見た目を整える役割、温度変化や地震による部材の動きを吸収する役割、ひび割れの位置を制御する役割、雨水の浸入を防ぐ役割があります。
目地を適切に設計・施工しないと、ひび割れ、仕上げ材の剥離、漏水といった不具合につながります。小さな部位ですが、建物の耐久性と品質を左右する重要な要素です。
目地の主な種類
- 伸縮目地(エキスパンションジョイント):温度変化や乾燥収縮、地震による建物の動きを吸収するために設ける。建物全体を分けるものと、仕上げ層に設けるものがある。
- 打継ぎ目地:コンクリートを複数回に分けて打設する境目。止水や外観のために目地を設ける。詳しくは打継ぎ、施工目地防水工を参照。
- ひび割れ誘発目地:コンクリート壁などに断面欠損を設け、乾燥収縮によるひび割れを目地位置に集中させる。コンクリートひび割れ制御の一手法。
- 化粧目地:タイル・石・ブロック・左官などの意匠上の目地。水平・垂直の通りを揃える効果もある。
- 施工目地:工区割りや作業の都合で設ける継ぎ目。
- 縁切り目地:異なる部材が互いの動きを妨げないよう、縁を切るために設ける。
なお、コンクリート打設で打継ぎが適切に処理されないと、コールドジョイントが生じるおそれがあります。目地は「設けるもの」ですが、コールドジョイントは「できてはならない欠陥」である点が異なります。
シーリング施工の基本
外壁やサッシまわりの目地では、シーリング材を充填して防水性と気密性を確保するのが一般的です。シーリング材は、JIS A 5758(建築用シーリング材)に種類と品質が規定されており、変成シリコーン系、ポリウレタン系、シリコーン系などがあります。使用部位や上塗り塗装の有無、汚染のおそれなどで材料を選びます。
施工の基本的な手順は次のとおりです。
- 目地内の清掃(ほこり、油分、水分、古いシーリング材を除去)
- バックアップ材またはボンドブレーカーの装填(目地深さの調整、3面接着の防止)
- マスキングテープの貼付け
- プライマーの塗布(所定の乾燥時間を守る)
- シーリング材の充填、へら仕上げ、テープの撤去
ムーブメントが生じる目地は、原則として「2面接着」にします。底面にも接着させる「3面接着」にすると、目地の動きでシーリング材が破断しやすくなります。目地の幅と深さの比率、設計上の動き量は、メーカーの技術資料と設計図書で確認します。
鉄骨工事・金属工事との関わり
鉄骨造では、外壁の金属パネル、ALCパネル、サッシ、折板葺の端部など、多くの部位で目地が生じます。鉄骨の建方精度が悪いと、目地幅にばらつきが出て、シーリングの品質にも影響します。建方の精度確認は、後工程の目地の通りと納まりを守るためにも大切です。
目地幅の決め方と「動き(ムーブメント)」の考え方
目地幅は、見た目だけではなく、部材の動きに基づいて決める必要があります。動きの要因には、温度変化による伸縮、コンクリートやALCの乾燥収縮、風や地震による層間変形などがあります。ムーブメントが大きい部位ほど、シーリング材の追従限界を超えないよう、目地幅を広く設定しなければなりません。
一般に、目地幅が狭すぎるとシーリング材が動きに追従できず破断し、広すぎると充填量が増えるうえ、外観やたるみの問題が生じます。メーカーが示す許容伸縮率(目地幅に対する伸びや縮みの割合)と、部材の寸法・温度差から必要な目地幅を逆算するのが基本的な考え方です。
目地は、完成後に直接見える部分である一方、施工後の補修は足場の再設置など大きな手間を要します。そのため、設計・施工段階で、目地のディテール(施工図)を関係業者で確認することと、試験施工や接着性試験で材料と下地の相性を確認しておくことが、長期的な不具合の防止につながります。
柴田工業の現場から
目地は小さな部位に見えて、後から直すと足場を組み直すほど手間がかかります。鉄骨の建方精度が目地幅に影響することも多いので、仕上げ業者さんと事前に寸法を擦り合わせるようにしています。