陽極酸化皮膜に関する建設現場イメージ
Anodic Oxide Film (Anodizing)

陽極酸化皮膜

Anodic Oxide Film (Anodizing)

工事の種類
ようきょくさんかひまく

陽極酸化皮膜とは

陽極酸化皮膜は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を電解液中で陽極として電解し、表面に人工的に生成させた酸化アルミニウムの皮膜です。この処理を一般にアルマイト(陽極酸化処理)と呼びます。アルミニウムは空気中でも薄い自然酸化皮膜をつくりますが、陽極酸化では皮膜を厚く、緻密に成長させることができます。

皮膜は硬く、耐食性・耐摩耗性に優れ、着色や封孔処理で外観を調整できる点が特長です。

建築での使われ方

建築ではアルミニウム製のサッシ、手すり、メタルカーテンウォールの部材などに広く用いられます。特にアルミニウム製建具では、陽極酸化皮膜に電解着色や塗装を組み合わせた複合皮膜が一般的です。カーテンウォールの仕上げとしても代表的な表面処理です。

皮膜の厚さによって耐久性が異なります。屋外や汚れやすい環境では、より厚い皮膜が求められ、建築用の仕様はJIS(日本産業規格)で等級が区分されています。詳細は日本産業標準調査会で確認できます。

現場での取扱い上の注意

陽極酸化皮膜は硬いものの、アルカリには弱い性質があります。特に注意が必要なのは、コンクリートやモルタルの水分(強アルカリ性)が付着した場合です。そのまま放置すると皮膜が侵されて白く変色したり、腐食が進んだりします。左官工事やコンクリート打設の際には、部材をしっかり養生し、付着した場合は速やかに水洗いします。

また、異種金属との接触による電食、酸性・アルカリ性洗剤の使用にも注意します。清掃は中性洗剤を使い、研磨剤入りのものは避けます。

溶接や切断で熱を受けた部分は皮膜が損なわれるため、仮設の取付けなどで直接火気を使う場合は、近接する仕上げ材の保護を徹底します。溶接の火花が飛ぶ作業の際は、特に注意が必要です。

皮膜の仕組みと封孔処理

陽極酸化処理で生成する皮膜は、表面に無数の微細な孔(ポア)をもつ多孔質層と、その下の薄いバリヤー層からなります。この多孔質構造のおかげで染料を吸着させる着色が可能ですが、孔のままでは汚れや腐食性物質が入りやすいため、仕上げに沸騰水や蒸気などで孔を塞ぐ封孔処理を行います。

建築用では電解着色によりブロンズ系やステンレス調の色を出す方法が多く、屋外での耐候性に優れます。一方、塗装との違いは、皮膜が素地から成長した層であるため剥がれにくい点にあります。

ただし、傷が皮膜の下の素地に達すると、その部分は補修が難しいため、搬入・取付け時の養生と取扱いが重要です。メーカーの施工要領や清掃方法の指示に従うことをおすすめします。

処理
アルミニウムを陽極として電解し酸化皮膜を生成(アルマイト)
特長
耐食性・耐摩耗性が高く、着色もできる
注意点
アルカリ(セメント水)に弱く、付着時は速やかに水洗い

柴田工業の現場から

上沢直二
上沢直二 事務・現場兼務

サッシ周りにモルタルが付いたまま乾くと白く変色してしまいます。気づいたらすぐに水拭きするよう、現場で声かけをしています。

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