
暑中コンクリート
Hot Weather Concreting
暑中コンクリートとは
暑中コンクリートとは、気温が高い時期に打ち込むコンクリートのことです。日本建築学会のJASS 6では、日平均気温が25℃を超えることが予想される場合などを、暑中コンクリートとして特別な配慮の対象にしています。気温が高いと、セメントの水和反応が速く進み、コンクリートの温度が上がります。その結果、時間とともに流動性が落ちる(スランプロス)、凝結が早まる、水分が蒸発してひび割れが出やすくなる、といった問題が起こります。
主な問題点
- スランプ低下:運搬中や待ち時間にワーカビリティーが低下し、締固めが難しくなります。
- コールドジョイント:凝結が早まると、先に打った層と後の層が一体化せず、コールドジョイントの原因になります。
- ひび割れ:表面の急激な乾燥による塑性収縮ひび割れ、温度差による温度ひび割れが生じやすくなります。
- 強度への影響:初期強度は出やすい反面、長期の強度増進が小さくなる傾向があります。
対策の考え方
材料面では、骨材や練混ぜ水を冷やして、コンクリート温度を抑えます。混和材として、遅延形のAE減水剤などを検討します。運搬では、レディーミクストコンクリートの荷卸しまでの時間を短くするため、工場との連絡や車両の配車を調整します。打設時は、打重ね時間間隔を短くし、振動締固めを確実に行います。型枠や鉄筋が日射で高温になっている場合は、散水して冷やします。打設後は直ちに湿潤養生を行い、直射日光や風から守ります。詳しくはコンクリート養生も参照してください。
打設計画と時間帯の工夫
暑中コンクリートでは、材料の工夫だけでなく、段取りの工夫が効果を発揮します。まず、打設する時間帯を涼しい早朝や夕方にずらす方法があります。コンクリート温度は、打込み時に35℃以下とすることが一般的な目安として示されています(詳細はJASS 6などの最新版で確認してください)。
また、打設数量が多い場合は、レディーミクストコンクリートの出荷間隔を事前に工場と調整します。ポンプ車の配管が日射を受けると、管内のコンクリートが温まるため、配管を湿った布や遮光材で覆うことも有効です。
スランプ低下を補う目的で、現場で水を加えることは避けます。強度や耐久性が下がる原因になるためです。必要な場合は、あらかじめ高性能AE減水剤などで調整した配合を依頼します。スランプ試験で受入れ時の状態を確認する運用も重要です。
柴田工業の現場から
夏の打設は、型枠や鉄筋が熱くなっていることも見落としがちです。打つ前の散水と、打った直後の養生までを一続きの作業として段取りしています。