
寒中コンクリート
Cold Weather Concreting
寒中コンクリートとは
寒中コンクリートとは、日平均気温が4℃以下になることが予想される時期に打ち込むコンクリートのことです。日本建築学会のJASS 6などでは、このような時期のコンクリート工事を寒中コンクリート工事として扱い、特別な配慮を求めています。コンクリートは打設直後に凍結すると、硬化に必要な水が氷になって水和反応が進まなくなります。さらに水が凍って体積が増えることで内部組織が壊れ、後から強度や耐久性が回復しにくくなります。これを初期凍害と呼び、寒中コンクリートで最も避けたいトラブルです。
主な対策の考え方
対策は「材料」「打設」「養生」の三つに分けて考えます。
- 材料:レディーミクストコンクリートを使う場合は、工場に荷卸し時の温度を指定するなど、受入れ温度を確保します。必要に応じて水や骨材を加熱しますが、セメントを直接加熱してはいけません。混和材のうちAE剤を適切に使い、凍結融解への抵抗性を高めることも基本です。また、水セメント比を過大にせず、単位水量を抑えて調合を検討します。
- 打設:型枠や鉄筋、地面に氷雪や霜が付いたまま打設してはいけません。打設前に取り除き、必要なら温めます。運搬や打込みの間にコンクリート温度が下がらないよう、段取りを短くします。
- 養生:打設後は、所定の強度が出るまで凍結させないことが目標です。シートや断熱材で覆う保温養生、またはジェットヒーターなどで加熱する給熱養生を、気温や部材の大きさに応じて選びます。コンクリート養生の中でも、温度管理は特に重要です。
現場での管理
外気温、コンクリート温度、養生中の部材温度は記録を取りながら管理します。型枠の取外しの時期は、材齢だけでなく強度で判断します。現場で養生した供試体の圧縮強度試験の結果を確認し、型枠撤去判定に生かします。給熱養生では、局所的な乾燥や火災、一酸化炭素中毒への注意も欠かせません。鉄骨工事と鉄筋コンクリート造が並行する現場では、スラブ打設や柱脚周りの無収縮モルタルの充填も冬期の対象になります。鉄骨側の仮設養生設備と干渉しないよう、工程管理の段階で調整しておくと安心です。
初期凍害を避けるための考え方
寒中コンクリートの管理で重要なのは、「初期凍害を受けない強度」に達するまで、確実に凍結させないことです。一般にこの強度は、日本建築学会のJASS 6などで目安が示されています。現場ではその基準に沿って、養生の期間と方法を決めます。
保温養生は、セメントの水和熱を利用して温度を保つ方法です。そのため、部材が薄い場合や外気温が極端に低い場合には、保温だけでは足りず、給熱養生が必要になります。給熱を行う場合は、急に加熱したり、養生終了後に急に冷やしたりすると、温度ひび割れの原因になります。養生の終わりでは、徐々に外気温になじませることが大切です。
また、凍結を防ぐだけでなく、硬化初期の水分逸散にも気を付ける必要があります。ヒーターの温風が直接当たると表面が乾燥するため、シートで覆うなど対策を取ります。ひび割れ対策としてはコンクリートひび割れ制御の考え方も参考になります。
柴田工業の現場から
冬の打設は、材料手配の時点で勝負が決まります。生コン工場との温度の打合せと、養生費の積算を早めに済ませておくと、現場で慌てずに済みます。