スランプ試験に関する建設現場イメージ
Slump Test

スランプ試験

Slump Test

管理の5本柱
すらんぷしけん

スランプ試験の概要

スランプ試験は、レディーミクストコンクリートが現場に到着した際に実施する基本的な品質検査です。JIS A 1101に規定された試験方法で、スランプコーン(高さ300mm、上部直径100mm、下部直径200mmの円錐形)を用いてコンクリートの軟らかさを数値化します。

試験結果は、コンクリートのワーカビリティーを定量的に評価する重要な指標となり、設計で指定された調合が正しく実行されているか、また打設時の気象条件による変化がないかを確認するために用いられます。

試験方法と手順

スランプ試験の実施手順は以下の通りです。

  1. 試料採取:ミキサー車から取り出したコンクリート約15リットルを採取。複数地点から均等に採取します
  2. スランプコーン準備:内面を軽く湿らせ、平坦な鋼板上に垂直に立てます
  3. コンクリート詰込み:コーン内にコンクリートを3層に分けて投入。各層を25回ほどタンピングして層状に締固めます
  4. 高さ測定:コーン引き上げ直後、コンクリート最高部までの沈下量(mm)をスランプ値として測定
  5. 記録:スランプ値を施工記録に記入し、設計値との照合を行います

測定は試料採取から5分以内に実施することが規定されており、迅速性が求められます。

スランプ値の解釈と設計値

スランプ値は、一般的に5cm~18cm程度の範囲で指定されます。値が大きいほどコンクリートが軟らかく(流動性が高く)、小さいほど硬いということを意味します。

設計値からの許容差は通常±25mmとされており、この範囲内でなければ調合の修正(水やセメント量の調整)が必要です。スランプ値が設計値より大きい場合は水分が多すぎることを示し、水セメント比が高くなっているため、強度低下の原因となります。逆に小さい場合は、骨材の粒度分布不良や気温低下などの原因が考えられます。

現場での実用性と制限

スランプ試験は費用が低く、現場で簡単に実施できる利点がある一方、いくつかの制限があります。特に、スランプが10cm以上のコンクリート(流動化コンクリート)では、スランプが一定値以上になると測定値が飽和してしまい、流動性の細かい違いを区別できません。このような場合には、ワーカビリティーの評価にスランプフロー試験(JIS A 1150)を併用することが推奨されます。

スランプ値と強度・耐久性の関係

スランプ値と水セメント比の間には強い相関関係があります。一般的に、スランプが大きいほど水セメント比が高くなり、コンクリートの圧縮強度や耐久性が低下する傾向にあります。

したがって、スランプ試験は単なる施工性の確認ではなく、間接的に強度管理の手段でもあります。設計時に定められたスランプ値は、所要の設計基準強度と施工性のバランスを考慮して決定されています。現場でスランプ値が設計値から外れた場合、コンクリート自体の品質が変わっていることを示す警告信号として機能します。

特に、骨材の含水率が季節や天候によって変化する場合、同じレディーミクストコンクリートでもスランプが変動することがあります。施工管理者は、定期的なスランプ試験を通じてこうした変動を捉え、混合水の調整を指示する判断力が求められます。

試験規格
JIS A 1101に基づく。スランプコーン高300mm、上部径100mm、下部径200mm
設計値の許容差
一般的に±25mm。この範囲内でなければ調合修正が必要
実施タイミング
試料採取から5分以内に実施。現場到着時の最初の確認として重要

柴田工業の現場から

上沢直二
上沢直二 事務・現場兼務

毎日のスランプ試験は地味ですが、これがコンクリート品質管理の第一関門。設計値との照合を確実に記録することが、後々のトラブル予防につながります。

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