
プレス機械作業主任者
Press Machine Work Supervisor
プレス機械作業主任者とは
プレス機械作業主任者とは、動力で駆動されるプレス機械による作業で、安全を確保するために選任される作業主任者です。プレス機械作業主任者技能講習を修了した人の中から、事業者が選任します。プレス機械は、金属などの材料を金型の間で強い力で加工する機械で、指や手を挟まれる災害が重篤になりやすい特徴があります。このため、法令で作業主任者の選任が定められています。
選任が必要な範囲
労働安全衛生法施行令第6条により、動力により駆動されるプレス機械を5台以上有する事業場で、そのプレス機械による作業を行う場合に、作業主任者の選任が必要です。対象となるのは、金属または合成樹脂などの加工用のプレス機械です。台数の数え方や、対象となる機械の範囲は、規則や通達の解釈に関わるため、実際の選任の判断は最新の法令で確認してください。
主な職務
職務は労働安全衛生規則第134条に定められています。主な内容は次のとおりです。
- プレス機械およびその安全装置を点検すること
- プレス機械およびその安全装置に異常を認めたときは、直ちに必要な措置をとること
- プレス機械およびその安全装置に切替えキースイッチを設けたときは、そのキーを保管すること
- 金型の取付け、取外しおよび調整の作業を直接指揮すること
金型の交換や調整は、スライドが不意に下降すると重大な災害につながるため、安全ブロックなどの措置をとったうえで、主任者が指揮して進めます。
鉄骨・金属加工との関わり
プレス加工は、薄板の成形や部品の打抜きなど、金属加工の基本技術の一つです。鉄骨の製作工場や金物の加工では、プレスブレーキによる曲げ加工などを使います。プレスブレーキもプレス機械に分類されるため、台数や使用方法によっては、作業主任者の選任や安全対策が必要になります。そのほか、バンドソーやボール盤、グラインダーのような機械でも、巻き込まれや切創の危険があり、機械ごとの安全管理が必要です。
当社は仮設鍛冶工事や鉄骨工事を行う会社ですが、機械加工に関する安全の考え方は共通です。危険源を把握し、安全管理の仕組みの中で、資格者が責任をもって指揮する体制が大切です。
プレス災害を防ぐ三つの視点
プレス機械の災害は、手を金型の間に入れた状態でスライドが下降することで起こる挟まれ事故が中心です。防止策は、大きく三つの視点で整理できます。
一つ目は、機械側の安全対策です。安全装置(光線式、両手操作式、ガード式など)を取り付け、確実に機能させます。安全装置は、点検を怠ると、いざというときに作動しません。作業主任者の点検が重要になるのはこのためです。
二つ目は、金型の交換・調整時の安全です。金型を扱うときには、スライドが不意に動かないように、安全ブロックを使うなどの措置をとります。この作業は、主任者の直接指揮のもとで行います。
三つ目は、作業者への教育です。プレス機械の作業者には、特別教育も必要になる場合があります。ルールを決めても、守られなければ意味がないため、日々のKY活動で危険を共有します。
これらの具体的な措置の基準は、労働安全衛生規則の第131条以降に定められています。実際に導入する際は、条文と、厚生労働省の公表資料で最新の内容を確認してください。
柴田工業の現場から
機械の安全は、装置を付ければ終わりではなく、点検と手順の遵守まで含めて初めて成立します。金型の調整作業を主任者がきちんと指揮する、という基本が一番効くと思います。