
プレスブレーキ
Press Brake
プレスブレーキとは
プレスブレーキは、上型(パンチ)と下型(ダイ)の間に鋼板などの金属板を置き、上型を押し下げて板を曲げる板金加工機です。V字、L字、コの字などの形状を、金型と曲げ位置を変えることで連続して作れます。駆動方式は油圧式と機械式があり、近年はNC制御で、曲げ角度や板の位置決め(バックゲージ)を数値で管理できる機種が多く使われています。
建設分野では、軽量形鋼の役物、金属パネルや金属工事で使う見切り材・笠木、仕上げ下地の部材、デッキ関連の端部部材などの加工に使われます。鉄骨・仮設分野では、仮設の金物、エッジ保護の部材、手すり関連の金物などを曲げ加工で製作することがあります。
曲げ加工の基本
曲げ加工では、板が曲がる部分で材料が伸び縮みします。そのため、図面上の外形寸法をそのまま板から切り出しても、曲げた後の寸法は合いません。板厚、曲げ半径、材質から曲げ部の展開長を計算して、切り出す前の板の寸法(ブランク寸法)を決めます。
- スプリングバック:曲げた後、荷重を除くと板が少し戻る現象。目標角度より深く曲げて補正する(過曲げ)。
- 最小曲げ半径:材質や板厚によって割れずに曲げられる限界があり、小さすぎる半径は割れや表面の傷につながる。
- 圧延方向:板の圧延方向に対して直角に曲げるほうが割れにくいのが一般的。
- 金型の選定:板厚と曲げ形状に合った上型・下型を選ぶ。
加工寸法は、施工図や工作図で確認し、初回は試し曲げで角度と寸法を検証してから量産します。
安全管理と規制
プレスブレーキは、金型の間に指や手を挟まれる災害が起こりやすい機械です。労働安全衛生法令上、プレスブレーキも動力プレス機械として扱われ、安全装置、作業主任者、特別教育、定期の自主検査などの規制の対象になります。
- 光線式などの安全装置や両手操作式の採用による、危険限界への身体の進入防止
- プレス機械を5台以上有する事業場における作業主任者の選任
- 金型の取付け・取外し・調整や安全装置の調整を行う作業者への特別教育
- 年次の特定自主検査の実施
具体的な適用条件は事業場の規模や機械で異なるため、導入時には最新の法令と所轄の労働基準監督署の案内で確認してください。作業手順の周知やKY活動による事前の危険予知、日常点検の習慣化は、安全管理の基本です。
展開長と曲げ精度を安定させるには
曲げ加工の寸法精度は、材料側と機械側の両方の要因でばらつきます。材料側は、板厚の公差、材質の強度のばらつき、圧延方向などです。機械側は、金型の摩耗、機械のたわみ、バックゲージの位置決め精度などです。
安定した精度を得るには、次のような運用が有効です。
- 同じ材料ロットで試し曲げを行い、角度と寸法を実測して補正値を決める
- 曲げ線の位置を板に明示し、バックゲージで突き当てる基準を統一する
- 1本目の製品を検査して承認を得てから、残りを加工する
- 材質や板厚が変わったら、曲げ条件を再確認する
特に鋼種の違う板を同じ条件で曲げると、スプリングバック量が変わって角度が合わなくなります。加工条件は記録として残し、品質管理の資料にしておくと、再製作や追加発注のときに役立ちます。
柴田工業の現場から
曲げ物は、展開寸法と曲げ角度の確認が肝心です。発注するときは図面の曲げ内側・外側の寸法基準を明確にして、初物の確認までを段取りに入れておきます。