軽量形鋼に関する建設現場イメージ
Light Gauge Steel Shapes (Cold-formed Light Gauge Sections)

軽量形鋼

Light Gauge Steel Shapes (Cold-formed Light Gauge Sections)

工事の種類
けいりょうがたこう

軽量形鋼とは

軽量形鋼(けいりょうがたこう)は、比較的薄い鋼板や鋼帯を、常温でロール成形やプレス曲げ加工(冷間成形)して作る形鋼です。熱間圧延で作られるH形鋼や溝形鋼、山形鋼に比べて、板厚が薄く、同じ断面積でも断面寸法を大きくとれるため、軽量で曲げ剛性を効率よく確保できる点が特徴です。

建築用の構造部材として使われる軽量形鋼は、JIS G 3350(一般構造用軽量形鋼)に規定されています。板厚はおおむね1.6mm〜6mmの範囲で、材料の種類として SSC400 があります。形状は、軽溝形鋼、リップ溝形鋼、リップZ形鋼、軽山形鋼、ハット形鋼などがあります。リップとは、フランジの先端を折り返した部分のことで、薄板の座屈を抑え、断面の剛性を高める役割があります。

主な用途

軽量形鋼は、軽さと加工のしやすさを活かして、次のような部位に使われます。

  • 屋根の母屋:折板屋根や金属屋根の下地材として、主要構造の梁の間に架け渡す
  • 外壁の胴縁:金属サイディングやALCパネルなどの外装材を取り付けるための下地材
  • 倉庫・工場・小規模建築の骨組:軽量鉄骨造(板厚6mm未満の鋼材を用いる骨組)の柱・梁
  • 設備架台、仮設構台、手すりなどの二次部材

なお、内装の壁や天井の下地に使われる「軽量鉄骨下地(LGS)」は、JIS A 6517(建築用鋼製下地材(壁・天井))の規格に基づく製品で、構造用の軽量形鋼とは目的も規格も異なります。内装下地については軽量鉄骨壁下地、軽量鉄骨天井下地を参照してください。

設計・施工上の注意

軽量形鋼は板が薄いため、設計・施工では次の点に注意が必要です。

  • 局部座屈:圧縮を受けるフランジやウェブの板が薄いため、板の一部が波打つように変形(局部座屈)しやすく、その影響を考えた設計が必要になります。日本建築学会の「軽鋼構造設計施工指針・同解説」などが参考にされます
  • 接合:板厚が薄いため、高力ボルト摩擦接合ではなく、ボルト(ねじ類)、ドリルねじ、ワンサイドボルト、溶接などを用います。薄板の溶接は、熱ひずみや穴あき(焼け抜け)が起きやすく、溶接条件の管理が重要です
  • 防錆:板厚が薄いと、さびによる断面欠損の影響が相対的に大きくなります。溶融亜鉛めっきや錆止め塗装で防食を行い、現場での溶接部や切断部の補修塗装も確実に行います
  • 取扱い:薄く変形しやすいため、運搬・荷揚げ・仮置きでの変形に注意が必要です

H形鋼などの熱間圧延形鋼との使い分け

軽量形鋼とH形鋼は、同じ「鉄骨」でも役割が異なります。H形鋼は板厚が厚く、断面が大きいため、大きな荷重を受ける主要構造の柱・梁(大梁など)に適しています。これに対し軽量形鋼は、荷重の小さい二次部材や、小規模建築の骨組、仮設の架台など、軽量性と施工性が活きる部位に向いています。

板厚が薄いので、高力ボルトの摩擦接合(摩擦接合)のようにボルトを強く締め込む接合は適さず、ボルトの孔周りの支圧やせん断破壊、孔のはしあき寸法などの検討が重要になります。また、熱間圧延形鋼の溶接では当たり前の入熱量でも、薄板では溶け落ちや変形を招くことがあるため、溶接の経験やJIS溶接技能者の資格の内容、施工要領の確認が必要です。

仮設鍛冶工事の現場では、軽量形鋼を仮設物の下地や手すり支柱、荷受け架台などに使うことがあります。この場合も、仮設であっても荷重条件の確認、接合部の強度、転倒や変形への配慮が必要です。重さが軽いことで取り扱いやすい反面、強度が小さいことを見落とさないようにします。

規格
構造用はJIS G 3350(一般構造用軽量形鋼)。板厚は概ね1.6〜6mm、材料記号の例はSSC400
主な形状・用途
軽溝形鋼・リップ溝形鋼・リップZ形鋼など。母屋、胴縁、小規模骨組、設備架台に使用
注意点
局部座屈、薄板の溶接(焼け抜け・ひずみ)、防錆処理、運搬時の変形に留意する

柴田工業の現場から

佐藤世人
佐藤世人 工事部

軽量形鋼は軽くて扱いやすい反面、薄いので溶接では焼け抜けに気を使います。仮設で使うときも、見た目の細さに応じて荷重を考え、無理に使わないことが大事だと思っています。

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