
工数
Man-hours (Labor Effort)
工数とは
工数とは、ある作業を完了するために必要な労働量を、人数と時間の掛け算で表したものです。建設現場では「人工(にんく)」という単位がよく使われ、一般に1人が1日働く量を1人工と数えます。時間単位で表す場合は「人時(にんじ)」や「人時間」と呼びます。1日の標準労働時間は現場や会社によって異なるため、1人工が何時間に当たるかは、見積や計画の前提として共有しておく必要があります。
たとえば、ある作業が合計30人工必要で、1日に5人を投入できるなら、単純計算で6日かかります。ただし実際には、作業の順序や干渉、天候、揚重機の制約があり、人数を増やせば比例して早く終わるとは限りません。
計画・見積での使い方
工程管理では、各工種の工数を見積り、投入人数と期間に割り振って工程表を組みます。積算では、数量に対する歩掛り(単位数量あたりの必要工数)を掛けて労務費を算出します。歩掛りは、過去の実績や公共工事の積算基準の数値を参考にしますが、現場条件によって変動するため、自社の実績データを蓄積して補正することが精度向上につながります。
原価管理では、計画した工数と実際にかかった工数を比較し、差の原因を分析します。工数超過は、図面の不整合による手戻り、段取り不足、品質管理上のやり直しなどが主な原因です。
鉄骨・仮設鍛冶工事での考え方
建方や仮設鍛冶工事では、溶接、ボルト締め、墨出し、揚重補助など複数の作業が並行します。作業の工数を見積る際は、実作業に加えて、朝礼やKY活動、材料の小運搬、クレーンの待ち時間、片付けなど、付随する時間も織り込む必要があります。これらを見落とすと、計画と実績が乖離しやすくなります。
また、働き方改革に伴い、週休2日の確保や時間外労働の上限規制への対応が求められているため、工数を無理に詰め込まず、余裕を持たせた計画が求められています。
人数を増やしても早くならない理由
工数が同じでも、投入人数を倍にして工期が半分になるとは限りません。これは、作業の前後関係(先行作業が終わらないと次ができない)や、作業スペースの制約、人員同士の連絡・調整にかかる手間が増えることなどが理由です。特に鉄骨建方では、クレーンが1台しかなければ、揚重能力が全体のペースを決めるため、地上の人員を増やしても効果は限定的です。
したがって、工数の見積では、人数・期間に加えて、律速となる設備や工程(ボトルネック)を見極めることが重要です。実績を記録し、次の現場の見積に生かす習慣が、計画精度を高めます。
柴田工業の現場から
工数は、実績を残しておくと次の見積が格段に正確になります。日報の人数と作業内容をきちんと書くことが、結局いちばんの近道だと思います。