
鋼杭
Steel Pile
鋼杭とは
鋼杭とは、鋼材でつくられた基礎用の杭の総称です。建物の荷重を支持層(硬い地盤)へ伝えるために地中へ打ち込む、または埋め込んで使います。代表的なものに、円形断面の鋼管杭と、H形鋼を用いたH形鋼杭があります。コンクリート系の杭である既製コンクリート杭や場所打ちコンクリート杭と並ぶ、基礎杭の主要な種類のひとつです。
特徴
鋼杭は材料の強度が高く、靱性(粘り強さ)に富むため、曲げやせん断に対して比較的強いのが特長です。また、現場で溶接によって継ぎ足せるため、支持層までの深さに応じて長さを調整しやすく、運搬や取り扱いも軽量で容易です。一方で、地中で腐食する可能性があるため、肉厚に腐食しろを見込む、塗装やライニングを行うなどの対策が検討されます。
主な施工方法
- 打撃工法:ディーゼルハンマなどで打ち込む方法。騒音・振動の面で市街地では制約を受けます。
- 埋込み工法(中掘り・回転貫入など):あらかじめ掘削したり、先端羽根付きの杭を回転させて貫入したりする方法で、近年の市街地ではこちらが多く使われます。
施工管理の要点
杭は建物の安全を支える最も重要な部分で、施工後に直接確認しにくいため、施工管理と記録が欠かせません。位置・傾斜・支持層への到達の確認、継手溶接の品質管理(溶接資格者による施工、非破壊検査)、杭頭処理などが主な項目です。着工前には地盤の調査結果と設計図書を確認し、墨出しで杭心を正確に出します。
弊社のような鉄骨・仮設鍛冶工事では、杭そのものを施工することは少ないものの、杭頭と基礎、その上に建つ鉄骨のアンカーボルトとの位置関係や、杭工事用の仮設設備との取り合いを意識する必要があります。
鋼杭の腐食対策と継手の考え方
鋼杭で特に注意されるのが腐食です。地中では、常に水に浸かっている部分や酸素の少ない部分は腐食が進みにくい一方、地下水位の変動する範囲や盛土中などでは腐食が進む場合があります。そのため設計では、想定される腐食量を肉厚に上乗せする「腐食しろ」を考慮するのが一般的です。必要に応じて塗覆装などの防食も検討します。
また、継ぎ足しの現場溶接は、天候、開先の精度、溶接姿勢によって品質が左右されます。風雨を避ける養生、溶接資格者の確認、開先(開先)の合わせ精度の管理が大切です。杭は一度施工すると手直しが難しいため、事前の施工計画で施工順序と検査項目を共有しておくことが、手戻りの防止につながります。
柴田工業の現場から
杭は見えなくなる部分だからこそ、杭心の位置や杭頭レベルの記録が後工程の鉄骨建方に効いてきます。基礎が出来たあとで位置ずれが見つかると大変なので、事前確認を大切にしています。