
コンクリートポンプ車
Concrete Pump Truck
コンクリートポンプ車とは
コンクリートポンプ車は、レディーミクストコンクリート(生コン)を圧力で押し出し、輸送管やブームを通じて打設位置まで送る車両です。ミキサー車から受けた生コンをホッパーに投入し、車載のポンプで圧送します。人力やクレーン+バケット方式に比べて、短時間で大量のコンクリートを高所や遠方まで運べるため、現在のRC造・SRC造・鉄骨造のスラブ打設で広く使われています。
車両は大きく、旋回・伸縮・屈折できるブームを備えた「ブーム式」と、車載ポンプから現場内に敷設した配管で圧送する「配管式」に分けられます。ブーム式は段取りが早く、筒先を自由に動かせます。配管式は、ブームが届かない高層階や、敷地条件で車両を近づけられない場所に使われます。
据付けと安全上のポイント
ブーム式では、ブームを伸ばした状態の反力を支えるために、アウトリガーを所定の位置まで張り出し、地盤の支持力を確認することが基本です。地盤が軟弱な場合や埋設物がある場合は、敷鉄板や敷き材で荷重を分散させます。傾斜地や路肩では、転倒の危険が大きくなります。
ブームの旋回範囲に架空電線がある場合は、感電の危険があるため、離隔を確保するか防護措置を講じます。また、ブームや筒先の振れによる接触災害を避けるため、筒先の作業者との合図を決め、立入禁止範囲を明確にします。輸送管が閉塞した場合の管内の圧力を急に抜くと、内容物が噴出する危険があるため、手順に従って圧を抜くことが重要です。
打設時の品質管理との関係
圧送前には、輸送管内を潤滑するため先送りモルタルを送ります。これを打設場所の躯体に入れないよう、廃棄または別の場所へ排出する計画を立てます。打設中はコンクリート振動締固めを適切に行い、コールドジョイントが生じないよう打込み間隔を管理します。コンクリートの性状はスランプ試験などで受入れ時に確認します。
圧送のしやすさは、配合やワーカビリティーにも左右されます。配合の考え方は調合を、まとまった量の打設はコンクリート大量打設管理を参照してください。
デッキスラブ打設時の配管・荷重管理
鉄骨造では、デッキプレートを床型枠としたスラブにコンクリートを打つことが多く、ポンプ配管の取り回しに注意が必要です。圧送時の輸送管は脈動し、配管の自重やコンクリートの重量も加わります。そのため、配管をデッキ上に直接置くと、局所荷重や衝撃で変形やたわみを生じさせるおそれがあります。
配管を支持する架台を設けて荷重を鉄骨梁に伝える、配管の下に受材を敷いて荷重を分散するなど、設計・施工図で確認した配管支持の方法を計画書に反映しておきます。また、打設中にコンクリートが一か所に集中して山積みにならないよう、打設順序と筒先の動かし方を決めておきます。
作業員の動線についても、筒先を持つ人、バイブレータの作業者、均し作業の人が混在するため、配管や電源コードを足元に這わせない、配管の継手部の固定を徹底するといった対策が必要です。車両の配置、ブームの届く範囲、道路使用の可否、近隣対策も含め、事前に打設計画を施工計画書に整理し、生コン工場とも共有しておくとスムーズです。
柴田工業の現場から
スラブ打設の日は、配管をデッキに直置きしない、筒先の合図を決める、この2点をまず確認します。段取りで安全も品質も決まります。