建設業会計に関する建設現場イメージ
Construction Industry Accounting

建設業会計

Construction Industry Accounting

管理の5本柱
けんせつぎょうかいけい

建設業会計とは

建設業会計とは、工事の請負という建設業の特性に合わせて行う会計処理のことです。製造業や小売業と異なり、受注から完成・引渡しまでが長期にわたり、一件ごとの金額も大きいため、工事ごとに収益と費用を把握する仕組みが必要になります。建設業法に基づく財務諸表の様式(国土交通省令)では、建設業特有の勘定科目が定められています。

建設業特有の勘定科目

  • 完成工事高:売上高に相当するもの。
  • 完成工事原価:完成工事高に対応する原価。材料費、労務費、外注費、経費に区分します。
  • 未成工事支出金:まだ完成していない工事にかかった費用を、一時的に資産として計上するもの。
  • 未成工事受入金:工事の完成前に受け取った代金(前払金など)。
  • 完成工事未収入金:完成した工事の代金のうち、未回収のもの。

外注費は、下請に支払う工事代金など、労務費以外の外部への支払いを含みます。

収益の認識と原価管理

収益を計上する時期については、工事の完成時に計上する工事完成基準のほか、進捗に応じて計上する方法(工事進行基準にあたる考え方)があります。現在の企業会計基準では、履行義務の充足に応じて収益を認識する考え方が整理されており、適用の詳細は会計基準および税務の取扱いに従う必要があります。実際の処理は、経理担当者や税理士・公認会計士に確認してください。

会計の数字は、現場での原価管理と一体で動きます。実行予算と実績を比較し、工程管理や施工管理の結果を原価に反映することで、工事ごとの採算が見えてきます。経理の専門資格としては建設業経理士があり、経営事項審査でも経理の状況が評価の対象になります。

仮設工事では、仮設工事原価管理のように、損料や転用を含めた費用の整理が必要です。

工事ごとの原価把握が経営判断の基礎

建設業では、同じ工種でも現場条件によって原価が大きく変わります。そのため、工事番号ごとに材料費・労務費・外注費・経費を集計し、実行予算との差異を早い段階で把握することが重要です。月次で未成工事支出金を確認し、出来高と請求の整合を取ることで、資金繰りの見通しも立てやすくなります。

また、仮払金や立替金など、現場で発生する一時的な支払いも、工事との紐付けを明確にしておかないと原価が正しく集計できません。小規模な会社ほど、現場担当者と事務担当者の情報共有が精度を左右します。

特徴
工事ごとに収益・原価を把握する、長期請負の会計
主な科目
完成工事高・完成工事原価・未成工事支出金・未成工事受入金
関連
原価管理、建設業経理士、経営事項審査

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

積算と実績の差は、会計の数字を見て初めて分かることが多いです。現場から伝票を早めに出してもらうだけでも、原価の見え方がかなり変わります。

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