
型枠
Formwork
型枠とは
型枠(かたわく)は、流動性のあるコンクリートを打ち込み、硬化して必要な強度が出るまでの間、所定の形状・寸法・位置に保持するための仮設の枠です。鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の躯体をつくる上で欠かせない工程であり、完成後のコンクリートの形状、表面の仕上がり、寸法精度は、型枠の出来栄えに大きく左右されます。
型枠は大きく次の要素から成り立っています。
- せき板:コンクリートに直接接する面材。合板(いわゆるコンパネ)が一般的で、鋼製やプラスチック製もある
- 桟木・角材・鋼製の端太材(ばたざい):せき板を補強して支える部材
- 締付け金物(セパレータ、フォームタイなど):両面の型枠の間隔を保ち、側圧に抵抗する
- 支保工(サポート):スラブや梁の型枠を下から支え、荷重を支える
型枠のための下地や仮設の取り合いについては、型枠下地や型枠仮設、型枠支保工設計の項も参照してください。
型枠に作用する荷重と設計の考え方
型枠には、打ち込まれたコンクリートによる荷重(側圧、鉛直荷重)、作業員や機材の重さ、打設時の衝撃や振動などが作用します。柱や壁の型枠では、フレッシュコンクリートの側圧が支配的で、打込み速度、打込み高さ、コンクリートの温度、締固め方法などによって大きさが変わります。コンクリートの振動締固めを強くかけすぎると側圧が増えやすく、型枠の変形やはらみ出しを起こす恐れがあります。
こうした荷重に対して、型枠の強度と剛性を確保できているか、支保工の配置や基礎が適切か、セパレータの間隔は妥当かを、あらかじめ検討します。型枠が崩壊すると重大な災害になるため、支保計画と合わせて施工前の確認を行うことが重要です。
脱型(型枠の取外し)
型枠を外す時期は、コンクリートが自重や施工中の荷重に耐えられる強度に達しているかが基準になります。建築基準法施行令第76条は、型わくおよび支柱は、コンクリートが自重・施工荷重によって著しい変形やひび割れ等の害を受けない強度になるまで取り外してはならない、という趣旨で定めています。また、存置期間の目安は告示にも示されています。日本建築学会のJASS 5(鉄筋コンクリート工事)では、柱・壁・梁側などの垂直面のせき板は、圧縮強度が5N/mm²以上に達したことを確認して取り外す、という考え方が示されています。実際の現場では、圧縮強度試験の結果や、材齢管理、気温などをもとに判断します。詳しくは型枠脱型、型枠撤去判定も参照してください。
鉄骨工事・デッキプレートと型枠の取り合い
SRC造や鉄骨造の床スラブでは、デッキプレートを型枠として使う場合があります。デッキプレートには、コンクリート打設後に取り外さずそのまま残す「捨て型枠」として使うタイプや、合成スラブとして構造的に働くタイプがあります。いずれも、鉄骨梁に確実に固定されていること、打設荷重に対し必要に応じて支保工(受け材)が設けられていること、端部や開口部からコンクリートが漏れない処理がされていることが必要です。詳細はデッキプレート敷設管理を参照してください。
また、鉄骨柱や梁の周りの型枠は、鉄骨のフランジやダイアフラム、スタッドなどの突起物があるため、型枠の割り付けや固定方法に配慮が必要です。施工図の段階で鉄骨とのクリアランス、貫通孔、取付け金物の位置を調整し、墨出しの精度を確保しておくことが、後工程の手戻りを減らします。
型枠の精度は、仕上がりの寸法精度だけでなく、被り厚さの確保にも関わります。型枠が内側にはらみ込むと、鉄筋のかぶりが不足し、耐久性に影響します。打設前には、型枠の寸法・垂直度・清掃状況、剥離剤の塗布、締付け金物の本数と締め付けを確認します(型枠確認、型枠精度も参照)。
柴田工業の現場から
型枠は躯体の品質に直結するので、鉄骨廻りの納まりは早めに型枠側と打ち合わせています。デッキや鉄骨の位置が少しずれるだけで、型枠の組み方が変わりますから、図面の段階で整合を取るのが一番の近道です。