型枠脱型に関する建設現場イメージ
Formwork Removal / Striking

型枠脱型

Formwork Removal / Striking

工事の種類
かたわくだつけい

型枠脱型とは

型枠脱型とは、コンクリート打設後、セメント水和によりコンクリートが所定の強度に達した時点で、コンクリート部材を支えていた型枠を取り外す工程です。単なる型枠撤去ではなく、部材の強度確保と安全を考慮した計画的な作業であり、早期脱型は強度不足のひび割れにつながり、遅すぎる脱型は工期遅延につながります。

脱型のタイミングは、コンクリート圧縮強度試験値に基づいて判断されます。建築基準法やJASS5では、脱型時のコンクリート強度基準が明確に定められており、部材の種類・断面・気温条件により異なります。

脱型強度と基準

脱型強度の目安:通常、部材が自己支持できるまで、あるいは設計強度の50~70%に達するまで型枠を保持します。基礎梁・壁面は3~7日、柱は2~3日程度が標準ですが、外気温が低い場合は期間を延長します。

強度確認方法

  • 圧縮強度試験:同じコンクリートロットで供試体を製作し、材齢3日・7日・28日に圧縮試験を実施。脱型判定の最終根拠となります。
  • 反発硬度計(シュミットハンマー):非破壊検査で現場コンクリート硬度を測定。大まかな強度推定に用いられます。
  • 温度積算法:外気温と経過日数から推定強度を計算。特に冬季施工で重要です。

脱型の施工方法

脱型順序:一般的に下から上へ、支保工を段階的に撤去します。周辺支柱を先に抜き、梁下の支保工を最後に撤去することで、部材の垂直性を保ちながら脱型します。

突き上げ脱型:下階床のコンクリート脱型時は、上階の支保工を十分に機能させたまま、段階的に調整スクリューで下げていきます。急激な脱型は上階の過負荷につながります。

安全管理:脱型時は脱落防止と労働安全が最優先です。型枠を取り外す際、バーベルやくさびで無理やり外すのではなく、脱型エッジを使用して静かに分離させます。

型枠脱型と部材品質

かぶり厚さが不足した部材は、早期脱型により表面が露出し、鉄筋腐食リスクが高まります。また、鉄筋配置図に基づいた正確なスペーサー配置は、脱型後の目視検査で初めて確認されます。表面ひび割れや仕上がり不良は脱型時に初めて見つかることが多いため、慎重な脱型作業と検査が重要です。

鉄骨との複合工事では、コンクリート脱型後に鉄骨が接合される場合があります。脱型による部材のたわみや変形が、その後の鉄骨溶接位置に影響するため、脱型タイミングと鉄骨工事の工程調整が必要です。

季節別・部材別脱型計画の実際

冬季の脱型判定は、外気温が5℃以下の場合、温度積算法(有効積算温度)が用いられます。日平均気温を累計し、一定値(通常500~800℃日)に達するまで脱型を遅延させます。夏季の高温下では、逆に3~4日で脱型可能な場合も多いです。

部材種別では、柱は梁より脱型時期が早く、梁は床スラブより遅れます。これは部材が自己支持するために必要な強度が異なるためです。複数層の床を連続施工する場合、下層の脱型が上層施工に影響するため、細かな工程管理が必須です。

支保工の段階的撤去も重要な技術です。全面一括脱型ではなく、複数段階に分けて支保工を調整することで、部材応力の急激な変化を防ぎ、予期しないひび割れを回避します。

脱型時期の判定
圧縮強度試験値・温度積算・現場検査の複合判定が必須
部材種別による基準
柱2~3日、梁3~7日、基礎梁7~14日程度(気温により変動)
品質・安全への影響
早期脱型は強度不足・ひび割れ、遅延は工期影響。安全脱型とバランス必須

柴田工業の現場から

上沢直二
上沢直二 事務・現場兼務

脱型タイミングは経験と判断が問われる部分です。圧縮強度試験結果が全てではなく、外気温・部材厚さ・支保工の状態を総合判断して、安全側で決定することが現場責任者の務めです。

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