スペーサーに関する建設現場イメージ
Concrete Cover Spacer

スペーサー

Concrete Cover Spacer

工事の種類
すぺーさー

スペーサーの役割

スペーサーは、鉄筋とコンクリート表面間の距離(かぶり厚さ)を確保するため、型枠と鉄筋の間に設置する支持材です。設計基準強度を満たすコンクリートの耐久性と耐火性を確保し、鉄筋の腐食を防止する重要な部材です。

かぶり厚さが不足すると、鉄筋が露出しやすくなり、中性化による腐食、塩害による劣化が進行します。建築基準法とJASS5(鉄筋コンクリート工事標準仕様書)では、環境条件に応じて最小かぶり厚さが規定されており、スペーサーによる確実な確保が施工品質の証です。

スペーサーの種類

プラスチック製スペーサーは、ポリプロピレン等の樹脂を射出成形した軽量タイプで、最も一般的です。形状は、鉄筋に引っかけるフック型、鉄筋を貫通させるリング型、型枠に取り付けるクリップ型などがあり、施工部位や鉄筋径に応じて選択されます。

モルタル製スペーサー(通称「モルタルブロック」)は、セメント、砂、水を混合して成形したもので、硬化後はコンクリート本体の一部となります。耐久性に優れ、特に屋外暴露部や長期耐久性が重要な構造部で採用されています。

金属製スペーサーは、鋼製のリング型やクリップ型で、高強度が必要な場合や、施工中の取扱い負荷が大きい場合に採用されます。ただし、鋼製は錆の発生リスクがあり、表面処理(ユニクロメッキ等)が施された製品を選定する必要があります。

スペーサーの配置と数量

スペーサーの配置間隔は、通常1.5~2.0m(鉄筋径に応じて)に設定され、型枠の撓みを防ぐとともに、かぶり厚さを均等に確保します。配置が粗すぎると、スペーサー間で鉄筋が沈み込み、かぶり厚さが不均一になります。

かぶり厚さの設計値は、建築基準法により、一般的な室内では40~50mm、屋外では60~70mmとされています。スペーサーの厚さは、設計かぶり厚さに2~3mm程度の余裕を持たせて選定し、打込み時の圧力による変形に対応します。

施工管理のポイント

型枠組立時に、スペーサーの取付け状況を確認し、見落としがないか、鉄筋との間隔が正確かを検査します。特に、複雑な配筋部位や、帯筋が密集する柱部では、スペーサー取付けが困難になりやすく、丁寧な施工が求められます。

打込み後、コンクリートが硬化する過程で、スペーサーが浮力により移動しないよう、十分な間隔で配置することが重要です。また、プラスチック製スペーサーは、打込み時の振動で破損することがあるため、適度な厚さと強度を持つ製品選定が必要です。

かぶり厚さの品質確認と非破壊検査

施工完了後、かぶり厚さの確認は、超音波測定装置や電磁波測定装置を用いた非破壊検査により実施されます。これらは、コンクリート表面からの深さを精度よく測定し、スペーサーの効果を検証します。

測定位置は、各部材につき複数点(通常3~5点)で実施され、最小値が設計値以上であることを確認します。測定値が不足している場合は、追加のスペーサー設置による改善は不可能なため、設計変更や耐久性評価が必要になる場合があります。

コンクリート表面欠陥防止の観点からも、スペーサーの位置決めが重要です。スペーサーが露出すると、外観品質の低下だけでなく、鋼製部材の腐食リスクも高まります。打込み前に、スペーサーの位置・数量・厚さを詳細に記録し、打込み後に目視確認することが標準的な品質管理手法です。

スペーサー種類
プラスチック製(軽量・一般的)、モルタル製(耐久性優先)、金属製(高強度部位)
標準配置間隔
1.5~2.0m、設計かぶり厚さの2~3mm大きめに設定
かぶり厚さ基準
室内40~50mm、屋外60~70mm(建築基準法)

柴田工業の現場から

上沢直二
上沢直二 事務・現場兼務

スペーサーは一見地味な部材ですが、建物の耐久性を左右する重要な要素です。特に大規模プロジェクトでは、スペーサーの数量が膨大になるため、発注・在庫・施工指示を厳密に管理する必要があります。型枠図にスペーサー配置を明記し、鉄筋工事と型枠工事の連携を密にすることが、施工品質向上の鍵です。

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