
フィラープレート
Filler Plate
フィラープレートとは
フィラープレート(フィラー、増し板、テーパーフィラーなどとも呼ばれる)は、鉄骨の接合部で、接合する二つの部材の板厚差や段差による隙間を埋めるために挟み込む薄い鋼板です。主に高力ボルトによる摩擦接合の継手で使われます。母材同士が密着していないと、力の伝達が不十分になったり、ボルトの締付けで部材が変形したりするため、隙間をフィラーで調整します。
たとえば梁の継手で、スプライスプレートを当てる側の梁フランジの板厚が左右で異なる場合、薄い側にフィラーを入れて面を合わせます。鉄骨工事では工場製作の段階で図面上に位置と板厚が指示され、鉄骨製作図にも反映されます。
種類と使い分け
板厚差を埋める平行なフィラーのほか、勾配のある部材にはテーパーフィラーを使います。隙間が小さい場合は、板厚が1mm以下程度であればフィラーを入れずに済ませる扱いが一般的ですが、具体的な許容値は設計図書や特記仕様書、適用する指針に従います。
摩擦接合では接触面のすべり係数が重要です。フィラーの表面も、母材と同様にすべり係数を確保できる処理(黒皮除去や赤錆の発生させた面など、設計で定められた状態)にしておく必要があります。フィラーを挟むと一般に枚数が増えるため、ボルト長さの選定にも影響します。
施工上の注意
フィラーは接合部の面を確実に合わせることが目的ですので、ボルト孔位置の精度、外周の収まり、材質(母材と同等の鋼種とするのが基本)を確認します。ボルトはトルシアボルトなど指定のものを、トルク管理や所定の方法で締め付けます。現場で隙間が見つかった場合は、勝手に板を足さず、施工管理担当者を通じて設計者・工場と協議し、承認を得ることが大切です。
現場でのフィラー管理のポイント
フィラーが問題になるのは、工場製作の寸法誤差や建方時の部材のずれで、図面にない隙間が現場で見つかった場合です。薄い隙間であればフィラー追加で対応できることがありますが、孔のずれや大きな段差は、単なる増し板では済まず、再孔あけ・部材の取り替えなどを要する場合もあります。判断は設計・工場・監理者との協議が前提です。
また、フィラーは一枚物で挟むほか、複数枚重ねを避けるよう求められることが多く、重ねる場合の扱いも設計側に確認します。部材の取り違え防止のため、現場搬入時に枚数・板厚・位置を建方前に照合しておくと、手戻りを減らせます。
柴田工業の現場から
現場で図面にない隙間が出たとき、その場で板を足したくなりますが、必ず設計に確認します。接合部は構造の要なので、慎重に進めています。