EPC契約に関する建設現場イメージ
EPC Contract (Engineering, Procurement and Construction)

EPC契約

EPC Contract (Engineering, Procurement and Construction)

管理の5本柱
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EPC契約とは

EPC契約とは、Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)の頭文字をとった、設計から資機材の調達、建設工事までを一つの請負者がまとめて請け負う契約形態です。発電所、化学プラントなどのプラント分野や、大規模なインフラ案件で広く用いられます。発注者から見ると、窓口が一本化され、設計・調達・施工の各段階の責任が請負者に集約されるのが大きな特徴です。

日本の建築工事で一般的な「設計施工分離方式」では、設計は設計事務所が行い、ゼネコンが施工を担当します。これに対しEPC契約では、請負者が設計段階から関わるため、施工性や調達の事情を設計に反映しやすくなります。工期短縮やコストの最適化が図りやすい点が利点とされます。

契約の特徴と責任範囲

EPC契約は、契約金額と工期をあらかじめ固定する総価一括の形が多いとされます。このため、設計の不備、資材価格の変動、施工上のトラブルなどに起因するリスクの多くを請負者が負います。完成後すぐに運転を開始できる状態で引き渡すターンキー契約と近い考え方で、性能保証や完成の遅延に対する損害賠償の条項が詳細に定められるのが通例です。

国内の建設工事を対象とする場合には、建設業法に基づく請負契約としての規律も受けます。工事内容や責任分担、変更時の取扱い、契約不適合責任などを契約書で明確にしておくことが重要です。また、元請となるEPC請負者が工事を下請に出す場合には、一括下請負の禁止に抵触しないよう、元請として設計管理や施工管理に実質的に関与する必要があります。

専門工事会社との関わり

EPC案件でも、実際の現場では多数の専門工事会社が働きます。たとえばプラントの架構や配管ラック、機器の据付に伴う鉄骨工事、足場や養生、開口部の安全施設などの仮設鍛冶工事です。こうした専門工事会社は、元請であるEPC請負者や、その下請の立場で参画することが一般的です。

EPC案件では、設計の確定が施工と並行して進むことも多く、施工図の承認や仕様の変更が頻繁に生じます。専門工事会社としては、変更の指示を文書で受け、工程管理や原価管理への影響を早期に確認することが大切です。さらに、複数の企業が共同で請け負う場合は共同企業体などの形がとられることもあります。

EPC案件で下請側が気をつけたいこと

EPC契約では、元請が発注者に対して固定価格・固定納期の責任を負うため、そのしわ寄せが下請側の工程短縮や価格交渉として現れやすい面があります。専門工事会社としては、見積り段階で前提条件を明確にしておくことが重要です。図面の確定度合い、支給材と持込材の区分、仮設の範囲、揚重条件、他工種との取り合い、設計変更時の精算方法などを、見積書や契約条件に明記しておきます。

また、EPC案件では海外の発注者や海外基準が絡むことがあり、品質記録や安全の要求水準が通常の国内民間工事より厳格なケースもあります。溶接の検査記録、材料の証明書類、作業員の資格確認などを求められることを想定し、日頃から品質管理の記録を整えておくと対応しやすくなります。

なお、契約の具体的な内容は案件ごとに大きく異なります。EPC契約という名称だけで責任範囲が決まるわけではないため、契約書の個別条項を確認することが前提です。

構成
設計(E)・調達(P)・建設(C)を一括して請け負う契約
特徴
窓口の一本化と、価格・工期・性能に関する責任の集約
下請の留意点
前提条件・変更時の精算方法・記録の整備を事前に確認

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

EPC案件は設計変更が多くなりがちです。見積りの前提条件を書面で残しておくことが、あとで効いてきます。

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