ディーゼルハンマに関する建設現場イメージ
Diesel Hammer (Diesel Pile Hammer)

ディーゼルハンマ

Diesel Hammer (Diesel Pile Hammer)

現場用語
でぃーぜるはんま

ディーゼルハンマとは

ディーゼルハンマは、杭を地盤に打ち込むための杭打ち機用の打撃装置です。円筒状のシリンダーの中でラム(重い落下錘)を落下させ、その衝撃に燃料の燃焼による爆発力を加えて杭の頭部を打撃します。ディーゼルエンジンと同じく、空気を圧縮して高温にし、そこへ燃料を噴射して着火させる原理を使っているため、この名があります。鋼管杭、H形鋼、既製のコンクリート杭など、さまざまな杭の打設に使われてきました。

打撃のしくみ

1サイクルの動きはおおむね次のとおりです。

  1. 杭打ち機のウインチなどでラムを引き上げ、落下させる
  2. 落下するラムがシリンダー内の空気を圧縮する
  3. ラムが下端に達するあたりで燃料が噴射され、圧縮された高温の空気で着火・爆発する
  4. 爆発の圧力が杭を押し下げ、同時にラムを跳ね上げる
  5. 跳ね上がったラムが再び落下し、以降は自動的に繰り返される

一度始動すれば連続して打撃を続けられるため、能率が高く、構造も比較的単純です。一方で、地盤が非常に軟らかい場合は杭が抵抗を示さずラムが十分に跳ね上がらないため、運転が安定しにくいという特性があります。反対に、硬い地盤では大きな打撃力を発揮します。

騒音・振動と規制

ディーゼルハンマは打撃音が大きく、地盤振動や排煙・油煙も伴います。杭打機を使う作業は、騒音規制法・振動規制法の「特定建設作業」に位置づけられており、指定地域内では作業開始の7日前までに市町村長(特別区では区長)へ届け出る必要があります。敷地境界での騒音は85デシベル、振動は75デシベルが基準で、作業時間帯や日数にも制限があります。なお、アースオーガーを併用する作業や、圧入式の杭打機は対象から除かれます。

こうした環境面の制約が厳しくなったことから、都市部では、プレボーリング工法や中掘り工法、油圧ハンマ、圧入工法などへの置き換えが進みました。ただし、地盤条件や杭の種類、工期などによっては、今も選択肢の一つとして検討されます。

仮設工事とのかかわり

山留め壁にH形鋼や鋼矢板を用いる場合、その打設に打撃式の機械が使われることがあります。打設後に腹起しや切梁を取り付けて山留め工事を完成させる工程は、仮設鍛冶工事の領域です。杭の打設精度が悪いと、後から取り付ける腹起しや切梁の納まりに影響するため、打設後の位置・通りの確認が欠かせません。使用するH形鋼の種類や長さも、あらかじめ打設工事の担当者とすり合わせておきます。

現場での安全上の注意

杭打ち作業では、ラムや杭の落下・倒壊、機械の転倒、ワイヤの破断、飛散物、近隣への影響などに注意が必要です。具体的には、次の点を確認します。

  • 機械を据える地盤の支持力を確認し、必要なら敷鉄板などで養生する
  • 地中埋設物や近接構造物の位置を事前に確認する
  • 作業範囲を明確にし、関係者以外が入れないよう立入禁止の措置をとる
  • 作業前のKY活動で手順と合図を共有する

杭打機の運転や合図、玉掛けには資格や教育が求められる作業が含まれます。近隣への事前説明や、必要に応じた家屋調査も含め、騒音・振動の管理を計画段階から組み込むことが重要です。

原理
ラムの落下エネルギーに燃料の爆発力を加えて杭を打撃する
規制
騒音規制法・振動規制法の特定建設作業。開始7日前までに届出(指定地域内)
傾向
都市部では低騒音・低振動の工法への置き換えが進んでいる

柴田工業の現場から

佐藤世人
佐藤世人 工事部

杭を打つのは別の専門業者でも、その後に腹起しや切梁を取り付けるのは私たちの仕事です。打設された杭の位置や通りが、後の仮設の納まりを左右します。杭打ちの工程や近隣への配慮にも、普段から関心を持つようにしています。

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