
溶接非対象建物
Non-Welded Structure Building
溶接非対象建物とは
溶接非対象建物(ようせつひたいしょうたてもの)は、鉄骨の主要な部材接合を高力ボルトやトルシアボルトなどのボルト接合で行い、溶接を最小限に抑える建築構造です。鉄骨工事では工場での溶接工程を大幅に削減できるため、工期短縮と品質の安定化が期待できます。一方、溶接管理技士の配置は現場で少なくなる傾向があります。
溶接非対象建物の特徴
溶接非対象建物には以下の特徴があります:
- 接合方法:高力ボルト接合がメイン。トルク管理により接合力を確保
- 溶接の範囲:基礎との柱脚部詳細のアンカーボルト周辺や、金属パネル取付け時の限定的な溶接に限定
- 現場組立てのウェイト増加:工場での鉄骨製作管理が簡素化される分、現場での建入り管理とボルト作業が重要
- 工期短縮:工場での溶接仕組み設計と施工時間を削減
- 品質検査の簡素化:UT検査などの溶接品質検査が不要になる場合が多い
溶接非対象建物の設計と施工
溶接仕組み設計の代わりに、ボルト接合部の設計とトルク管理実施計画が重要になります。接合部にはベースプレートやエレクションピースといった補強部材が多用されます。また、溶接実験の代わりに、ボルト接合の品質検査とトルク制御方法の事前実施が必須です。
仮設工との接点
仮設鍛冶工事でも、大型の支保工や足場部材の接合にボルト接合が採用される場合があります。特に仮設工事企業が構造体ボルト接合の組立てに参加する場合、高力ボルトの取扱い資格とトルク管理の知識が必須になります。
溶接非対象建物におけるボルト管理と現場調整
溶接非対象建物の施工では、現場でのボルト穴の位置ズレが許容値を超えないよう、鉄骨製作図の精度と現場での建入り管理が極めて重要です。工場での部材製作では穴あけ精度がJIS規格で管理されていますが、建入り設計で現場調整用の余裕度(通常±10㎜程度)が設定されます。このため、溶接非対象建物では多くの場合、ボルト作業前に各接合部の穴あわせを確認し、必要に応じて穴をリーマー加工する作業が発生します。また、トルク管理実施には専用の管理台帳が必要で、接合部ごとに施工者・施工日時・使用工具のシリアルNo.・トルク値を記録する厳密な管理体制が求められます。
柴田工業の現場から
溶接非対象建物は現場でのボルト作業が増えるので、天候の影響を受けやすい。雨の日は高力ボルトの面圧力低下の懸念があって、トルク管理がシビアになります。工事事務所は天気予報を見ながら、ボルト作業の予定をいつも調整しています。