トンネルボーリングマシンに関する建設現場イメージ
Tunnel Boring Machine (TBM)

トンネルボーリングマシン

Tunnel Boring Machine (TBM)

現場用語
とんねるぼーりんぐましん

トンネルボーリングマシンとは

トンネルボーリングマシン(TBM:Tunnel Boring Machine)は、先端の円盤状のカッターヘッドを回転させ、トンネルの断面全体を機械で一度に掘削する機械です。主に岩盤(硬い地山)のトンネルに用いられ、発破を使わずに連続して掘り進められるのが特徴です。掘削した岩(ずり)はベルトコンベヤなどで後方へ搬出します。

カッターヘッドには、ディスクカッターと呼ばれる刃が多数取り付けられ、岩盤に押し付けて回転させることで岩を破砕します。推進の反力は、機体の側面を坑壁に押し付けるグリッパーなどで得る方式が代表的です。

シールドマシンとの違い

TBMとシールドマシンはどちらも全断面掘削機ですが、対象とする地盤と構造が異なります。

  • TBM:自立する硬い岩盤向き。坑壁がしばらく自立するため、掘削後に支保工(吹付けコンクリートやロックボルト、鋼製支保工)で支える。
  • シールドマシン:軟弱な土砂地盤向き。外殻(シールド)で地山を支えながら掘り進み、後方でセグメントを組み立てて覆工とする。

なお、両者の特徴を併せ持つ機械もあり、地盤条件によって使い分けられます。ドリルジャンボと発破を組み合わせる山岳トンネルの在来的な方法と比べて、TBMは長距離のトンネルで連続掘進のメリットが出やすい一方、機械の製作・搬入・組立の準備に期間とコストがかかります。

施工上のポイントと安全

TBMは非常に大型で重量も大きいため、現場への搬入では分割して運び、立坑や発進基地で組み立てるのが一般的です。組立時はタワークレーンやオールテレーンクレーンなどの重量物の揚重が必要になり、クレーン荷重確認や玉掛けの厳守が欠かせません。

掘進中は、地山の状況変化(破砕帯・湧水・膨張性地山など)に注意し、事前の地質調査と掘進中の監視が重要です。坑内では換気・粉じん対策、機械への挟まれ・巻き込まれ防止、避難経路の確保といった安全管理が求められます。当社の鉄骨工事とは領域が異なりますが、巨大な機械の組立・解体における施工管理や揚重計画の考え方は共通しています。

TBMが選ばれる条件

TBMの採用可否は、地質条件と延長で判断されます。岩質が比較的均一で硬く、トンネルが長く、断面が円形で足りる場合に有利です。逆に、地質が大きく変化する、断層や破砕帯が多い、断面形状が円形でない、といった条件では、ドリルジャンボによる発破工法や他の工法のほうが対応しやすい場合があります。

また、機械は工事ごとに仕様(径・カッター構成・推力)が設計されるため、施工計画書の段階で、搬入経路や発進基地の広さ、電力設備、ずりの処理方法まで含めた検討が必要です。電力は大容量になるため、仮設電力供給設計の考え方が重要になります。機械の仕様値や性能は機種により異なるため、個別の資料で確認してください。

掘削方式
カッターヘッドの回転で岩盤を全断面掘削
向く地盤
自立する硬い岩盤(軟弱土砂はシールドマシン)
施工の要点
搬入・組立時の重量物揚重、地質変化の監視、坑内安全対策

柴田工業の現場から

佐藤世人
佐藤世人 工事部

規模は全然違いますが、大型の機械を分割搬入して現場で組み立てる、という点は鉄骨の建方に通じます。揚重計画と玉掛けの確実さが事故を防ぐ基本だと思います。

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