鉄骨搬送・保管安全管理に関する建設現場イメージ
Steel Material Transportation and Storage Safety Management

鉄骨搬送・保管安全管理

Steel Material Transportation and Storage Safety Management

管理の5本柱
てっこうはんそう・ほかんあんぜんかんり

鉄骨搬送・保管安全管理の重要性

製作完了した鉄骨部材は、工場から現場への搬送、現場での長期保管、建て方直前の臨時移動など、複数の段階を経てはじめて建て込み作業に至ります。この過程での転倒・落下・変形などは、施工品質の低下や労働災害につながるため、安全管理の観点から極めて重要です。特に長尺部材・重量部材では、運搬車の選定、積み込み方法、現場での荷降ろし方法を詳細に計画する必要があります。また保管期間中の環境(雨水・結露)による表面劣化も品質上の懸念事項です。

搬送計画と運搬方法

鉄骨部材の搬送は、①工場での積み込み、②運搬ルート・運搬車の選定、③現場への到着・荷降ろし、という3段階で構成されます。搬送計画は施工計画書に組み込まれ、以下の項目を確認します:

・長さ・重さ制限:標準運搬車の積載制限(通常10~15t、長さ12m程度)内で梱包・分割。超過の場合は特別許可車両(長尺車・ハイブ車)を手配
・運搬ルート:工場から現場までのルートで橋梁・トンネル・狭隘道路を通過可否を事前確認
・運搬保険:搬送中の事故に備えた運搬保険の加入
・運転手・パイロット:高さ制限などで先導者(パイロット)の配置が必要な場合がある

特に都心部での搬送では交通規制・警察許可が必要な場合も多く、工期に影響するため余裕を持った計画が重要です。

現場での保管と品質管理

搬入された鉄骨部材は、建て方まで現場内に一時保管されます。保管管理の重要項目は以下の通りです:

・保管場所の確保:建て方動線を確保しつつ、部材の移動距離を最小化する配置
・保護対策:防錆塗装面の傷や、雨水による錆の発生を防ぐため、木製パレット上に置き、通風を確保
・転倒防止:特に長尺部材では、仮設工事で固定架台や支持材を設置して転倒を防止
・品質確認:搬入時に寸法・外観・検査成績書との照合を実施

特に鋼材表面の結露による錆は、品質管理上の大きな問題であり、保管期間が長い場合はシート覆いなどの対策が必須です。

建て方前の部材移動と搬出計画

建て方日程が決まると、保管場所から建て方現場への部材移動を計画します。この段階での重要な業務は:

・搬出順序の計画:建て入れ設計に基づいて、建て込み順序の逆順で搬出することが一般的
クレーン容量の確認:各部材の重量に対応するクレーン能力の確認
クレーン操作の安全:玉掛用ワイヤの取付位置・方法を工作図で明示、作業員への周知
・緊急対応:天候悪化時の作業中止・再開手続きの明確化

これらの計画は建て方作業安全管理とあわせて一体的に検討する必要があります。

長期保管と環境対策、環境別の品質リスク

施工期間が長い物件では、製作完了から建て方開始まで数ヶ月の保管期間が生じることがあります。この間の防錆塗装面の劣化は、後工程の塗装品質に影響するため、保管環境の管理が重要です。特に海岸近くの物件では潮風による塩害、降雨量の多い地域では結露による錆が顕著です。対策としては、①通風性の高い保管架台の採用、②シート覆いによる直接雨避け、③乾燥剤の設置、④定期的な目視確認による早期錆検出、などが有効です。大規模プロジェクトでは、保管期間が長い部材については仮塗装(はけ塗り程度の簡易塗装)を追加実施する現場もあります。これらの予防的対策により、品質トラブルを事前に排除できます。

搬送計画の主要項目
積載重量・長さ制限、運搬ルート事前確認、特別許可車手配
保管管理
木製パレット保管、通風確保、シート覆い、定期目視確認
建て方前確認
クレーン容量確認、玉掛方法の明示、天候対応手続き

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

搬送・保管は目立たない業務ですが、ここでの品質低下が後工程に大きく影響します。特に搬入時の検査成績書確認は絶対に省略してはいけません。また、現場での保管期間が長い場合は、事前に錆対策を検討して、防錆塗装面の傷や結露による錆を防ぐことが大切です。保管中に錆が出た部材を建て込むと、後から補修が必要になり、工期やコストに響きます。

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