
タワークレーン
Tower Crane
タワークレーンとは
タワークレーンは、地面や躯体上に固定したマスト(塔体)の上部に、水平に伸びるジブ(腕)と旋回装置を載せた据置き式のクレーンです。高い位置から広い範囲に資材を吊り込めるため、高層ビルや大規模工場、集合住宅など、鉄骨工事や躯体工事の揚重で広く使われます。労働安全衛生関係法令上はクレーンの一種として扱われ、移動式クレーン(移動式クレーン)とは区別されます。
代表的な形式に、ジブが水平のまま荷を trolley(トロリ)で出し入れする水平ジブ型と、ジブの角度を変えて作業半径を調整するジブ起伏型があります。起伏型は隣接建物や敷地の狭い都市部の現場でジブを立てて干渉を避けやすいのが特長です。
現場での使われ方
鉄骨造の現場では、柱・梁などの部材を所定の位置へ吊り込む建方の主力設備になります。移動式クレーンに比べて敷地内の占有面積が小さく、建物の高さに合わせてマストを継ぎ足すことで高層階まで対応できます。建物の成長に合わせてマストを伸ばす方式として、マストクライミング(外部に取り付けて上昇)やフロアクライミング(建物内部の床に支持して上昇)などがあります。
仮設計画の面では、基礎の設計、建物躯体への支持(控え)、ジブの旋回範囲と周辺建物・他のクレーンとの干渉検討が重要です。基礎や設置位置の考え方は仮設クレーン基礎設計、複数台設置時の干渉は干渉検討・対策計画と関係します。鉄骨建方に先行して設置されることが多いため、仮設鍛冶工事の計画や工程管理とも調整が必要です。
資格と法的手続きの要点
タワークレーンの設置・組立て・解体は、クレーン等安全規則に基づき、有資格の作業主任者の指揮のもとで行います。運転については、つり上げ荷重が5トン以上かどうかで、免許か特別教育かが分かれます。荷の掛け外しを行う玉掛けにも、つり荷の重さに応じた資格が必要です(玉掛け技能)。
設置にあたっては、つり上げ荷重などの条件に応じて労働基準監督署への設置届、落成検査、定期自主検査などの手続きが定められています。具体的な要件や期限は法令・通達で確認してください。
安全管理上の留意点
強風時は作業中止の基準があり、風速の確認と運転中止の判断を明確にしておくことが重要です。合図者の配置、立入禁止区画の設定(立入禁止)、過負荷防止装置の機能確認、毎日の始業前点検などの基本を徹底します。日々の運用はクレーン操作安全管理や安全管理、KY活動で共有します。
設置・解体とクライミング時のリスク
タワークレーンの労働災害は、運転中だけでなく、組立て・上昇(クライミング)・解体の最中に起こることが指摘されています。マストの継ぎ足し時は、ボルトの締付け不足、ピンの差し忘れ、支持部の不備、旋回やトロリ移動を誤って行うことなどが危険要因です。そのため、作業手順書を作成し、作業主任者の直接指揮のもと、関係者全員が手順と合図を共有して実施する必要があります。
また、クライミング作業は風の影響を受けやすいため、作業開始前に気象条件を確認し、基準を超える場合は中止する判断が求められます。解体時も、建物の完成状況によっては最後に残した躯体開口や荷下ろし場所の確保が課題になるため、設置計画の段階から解体計画までを見据えておくことが大切です。
鉄骨現場では、揚重物の重量・形状・つり具の選定を事前に確認し、定格荷重表と照らして作業半径ごとの吊り能力を超えない計画を立てます。
柴田工業の現場から
建方ではタワークレーンの吊り能力と旋回範囲を事前に確認します。鉄骨の重量と作業半径が合うかどうかが工程にも安全にも直結するので、ゼネコンさんとの調整を欠かせません。