鋼材品質管理に関する建設現場イメージ
Steel Material Quality Control

鋼材品質管理

Steel Material Quality Control

管理の5本柱
こうざいひんしつかんり

鋼材品質管理とは

鋼材品質管理は、鉄骨工事において鋼材が計画された仕様を満たしていることを確認し、納入から製作・施工完了まで全段階で適切に保管・管理する業務です。柴田工業のような鉄骨・仮設鍛冶工事企業では、鋼材受入検査から始まり、鋼材在庫管理、製作工程での検査、現場搬入後の保管まで、一貫した品質管理体制を構築しています。

鋼材は建物の主要な荷重を支える構造部材であるため、品質不良は構造安全性や工期遅延に直結します。したがって、JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)やJIS G 3136(溶接構造用圧延鋼材)などの規格への適合確認が必須です。

納入段階での管理

鋼材が現場に到着した際、まず納入検査を実施します。この段階では、納入書と照合して品種・数量・寸法が間違っていないことを確認します。同時に、表面の傷、錆、変形がないかを目視検査し、ミルシートと呼ばれる製造メーカー発行の成績書で化学成分と機械的性質(降伏点、引張強度など)を確認します。

特に高力ボルト接合に用いられる鋼材では、高力ボルト緊結の品質に影響するため、表面の清浄度(ブラスト後の仕上がり)も重要な管理項目となります。

保管・管理段階での管理

納入後の鋼材は、鋼材在庫整理管理に従って適切に保管します。露天保管する場合は防錆対策が必須であり、雨水が溜まりやすい状態を避け、定期的に錆の発生状況を確認します。室内保管が可能な場合は、品質劣化を最小限に抑えることができます。

長期保管される鋼材については、定期的に外観検査を実施し、予想外の錆の進行やズレが発生していないか確認します。

製作工程での管理

鋼材の切断・穴あけ・溶接などの製作工程では、寸法精度が設計値に合致していることが重要です。特に溶接管理技士による溶接部品質の確認と、超音波探傷検査などの非破壊検査により、溶接欠陥がないことを保証します。

現場納入後の管理

現場に到着した鋼材は、鋼材組立準備段階で再度外観検査を行い、運搬中の損傷がないこと、指定された位置に正確に配置されていることを確認します。鋼管仮設工事に関わる仮設鋼材についても同様の管理を適用します。

品質基準と規格適合性の確認方法

鋼材の品質を担保するため、納入メーカーから提供されるミルシート(化学成分分析書)と引張強度試験成績書を必ず確認します。特に以下の項目が重要です:降伏点(YP)、引張強度(TS)、伸び率(El)、化学成分(C、Si、Mn、P、S)。これらがJIS規格の下限値を満たしていることが大前提となります。

また、溶接構造用鋼材の場合、炭素当量(CE)の算出も重要で、溶接割れのリスク評価に用いられます。現場で計算機を用いてCEを検証し、溶接条件の設定に反映させることで、品質トラブルを未然に防ぐことができます。さらに、溶接実験により、実際の施工条件下での溶接性を事前に確認することが望ましい実務です。

品質不適合が判明した場合の対応プロセスも重要です。納入メーカーとの協議により、代替品の納入、部分補修の可否、あるいは最悪の場合は返品・返金の手続きを速やかに進める体制を整備しておくことが、プロジェクトの遅延防止につながります。

納入検査の実施
品種・数量・寸法・ミルシート確認で不良品を早期発見
保管環境管理
露天保管時は防錆対策、定期的な外観確認で劣化を防止
製作・溶接品質確認
寸法精度、非破壊検査により構造安全性を保証

柴田工業の現場から

石堂 洋三
石堂 洋三 現場管理・積算・調達

鋼材の品質管理は、現場トラブルを防ぐための第一防線です。ミルシートの確認は面倒に感じるかもしれませんが、後々の溶接不良や寸法ズレを防ぐ投資だと考えています。特に在庫管理では、錆の進行を見落とさないことが大切。定期的なチェック回りを習慣化させることをお勧めします。

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