
鉄骨鉄筋コンクリート造
Steel Reinforced Concrete Construction (SRC)
鉄骨鉄筋コンクリート造とは
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は、柱や梁の芯に鉄骨を入れ、その周囲に鉄筋を配してコンクリートを打設する構造です。鉄骨造(S造)と鉄筋コンクリート造(RC造)の長所を組み合わせた複合構造にあたります。
SRC造の主な特徴は次のとおりです。
- 鉄骨の強度・靱性とRC部分の剛性・耐火性を併せ持ち、高い耐震性を確保しやすい
- 鉄骨がコンクリートで覆われるため、一般に耐火被覆を別途施す必要がない
- 断面を比較的小さく抑えられるため、中高層の建物や大スパンの建物に採用されてきた
一方で、鉄骨工事・鉄筋工事・型枠工事・コンクリート工事のすべてが必要になり、工種間の調整が複雑でコストも高くなりがちです。そのため近年は、用途や規模によってS造など他の構造が選ばれる例も多くなっています。
施工の流れと鉄骨工事の役割
SRC造では、まず鉄骨を先行して建てるのが一般的です。アンカーボルトとベースプレートで柱脚を据え、建方、高力ボルト接合や溶接を経て、建て入れ管理で精度を確認します。その後に鉄筋を組み、型枠を建て込み、コンクリートを打設します。
鉄骨が先行して立ち上がるため、鉄骨が構造骨組として働き、後続の作業の基準にもなります。そのぶん鉄骨の精度不良は、鉄筋のかぶり厚さや型枠の位置にそのまま影響します。鉄骨とスタッド溶接などで取り合う部分では、鉄骨の施工図と鉄筋の配筋図を重ねて検討しておくことが重要です。
鉄骨と鉄筋の納まりの注意点
SRC造で最も神経を使うのが、鉄骨と鉄筋が密集する柱梁接合部です。
事前の干渉検討が品質を決める
SRC造の不具合の多くは、現場で鉄骨と鉄筋が取り合わないことに起因します。たとえば柱主筋が鉄骨に当たる、貫通孔の位置が合わない、スリーブや設備配管が鉄骨と衝突する、といった事例です。現場でこれらに気づくと、鉄骨の孔あけ追加や鉄筋の曲げ直しが必要となり、工程にも構造耐力にも影響が出かねません。
これを避けるため、製作前の段階で施工図やBIMを用い、鉄骨・鉄筋・設備の干渉を確認します。干渉検討・対策計画を鉄骨製作図の承認前にまとめておくと、工場での加工に反映でき、現場での手戻りを抑えられます。鉄骨に加工を追加する場合は、必ず設計者の承認を得ることが前提です。
柴田工業の現場から
SRC造は鉄骨が先に立ち上がるので、私たちの建て入れ精度が後工程の基準になります。鉄筋屋さんが主筋を通せるか、貫通孔の位置は合っているかを、製作図の段階で確認しておくことが大切だと感じています。